当ページでは、以下クエストのストーリーについて、あらすじを書きました。
- 青き宿敵
- 勇猛なるドタール
- 命を焦がす夢
マグナイの指示で、主人公とゴウセツはオロニル族にとっての宿敵、ドタール族の偵察に向かう。魂を軸として、生き返ることを信じる彼等は、その独特な文化故に死をも恐れず戦う。戦うことこそ、魂を輝かせ、生き返るために必要なことだと信じているのだ。ゴウセツは潔い死生観を持つ彼等に共感を覚えている様子だった。
一方、人質として明けの玉座に残されたリセとヒエン。彼等は互いに母国解放のために戦う者だが、リセは一枚岩とならない民衆に歯がゆい想いを抱えていた。ヒエンは、苦しみを知った者がそれでも見上げた夢ならば、それは命をかけるに値する夢だと説く。リセはその言葉に、かつての相棒を思い出し、その表情は明るくなっていた。
ストーリーのあらすじ
「青き宿敵」
人質の人選
リセ
どうにかおわったけど……乳搾りが、あんなに大変な仕事だったなんて。
ゴウセツ
こやつらの使う武具は、ドマの職人が作るものと比べるとかなり荒々しいものでござった。だが、いずれもよく使いこまれておったぞ。
その働きを評価されつつある主人公達は、解放のためにマグナイへ “最後の働きを捧げる許可” がなされました。
それはオロニル族にとっての宿敵「ドタール族」の偵察です。人質として誰が残るかの人選はマグナイ達の手に委ねられます。まずブドゥガ族族長、ダイドゥクルの要望により、ヒエンが人質に。もうひとりは……
マグナイ
これだけ方々を探しても見つからないのだ……余輩のナーマが、草原の民ではなかったという可能性もあるのではないか……?
……いや、やはりないな。余輩のナーマは、慈愛にあふれ、可憐で控えめ、儚い朝焼けの雲がごとき乙女のはず。
それに引き替えお前(主人公のこと)ときたら、呪いの石像すら躊躇なく破壊しそうだぞ。容姿はともかく……余輩の戦士としての勘が、そう告げている。
というわけで、比較的御し易そうと判断されたリセも残され、現地には主人公とゴウセツの二人が向かうことになりました。
マグナイ
……なんだ。まさか、人選のことで機嫌を損ねているのか。
愚かな……早く南の「ドタール・カー」へ向かえ。お前の方がそれに適任であると、余輩が選び、許したのだぞ。
ダイドゥクル
いざとなったら、ドタール族に襲撃をかけ、そのまま帰らぬ者となってもよい。……よいのだからな。
バートゥ
選ばれなかったからといって、気を落とすな。……私は、勇敢なお前を、それほど嫌いではない。
救出
早速偵察へ向かいます。
明けの玉座から南、まずはドタール族の集落、ドタール・カーを一望できるという暮れの玉座へ。
様子を伺うと……おそらくドタール族と思われる男達が獣に襲われているのが見えました。ゴウセツと主人公は、急ぎ助けに向かいます。
しかし、残念ながらひとり――ゲセルという男は間にあわず、既に息絶えていました。
そこへ、ドタール族の族長サドゥが現れます。
主人公達はモル族に属していることを明かし――しかしオロニル族の指示であることは隠しつつ、偵察に来たことを告げました。
“弱小” モル族が合戦に参加するという事実にがよほど面白かったのか。サドゥは敵にも関わらず、仲間を助けたことに免じて集落の偵察を許可してくれました。
……オロニル族の名を出していたら消し炭になっていたかもしれません。
魂の輝きのために
ドタール・カーへ向かいます。そこではサドゥと仲間のシャルが話をしていました。
不思議なことに、仲間であるゲセルが死んだにも関わらず、悲しんでいる様子が伺えません。
加えて、実は先程サドゥはゲセルの死体をいつもの場所に捨てておけと言っていました。仲間の死を軽んじるような雰囲気に怒るゴウセツでしたが、じき「戻ってくる」とはどういうことなのでしょう。
なんだ、そんなことも知らずに偵察にきたのか!
ドタール族はもっとも勇敢な戦士。死ですら、オレたちにとっては恐れるものじゃない。
よその部族の奴にはわからないらしいが、オレたちは、戦いの高揚が「魂の輝き」を生むのを感じてる。勇敢に戦って、おおいに輝いた魂は、肉体が滅んでも、すぐに新たな子として生まれてくる。
伝統的に、おおよそ死んでから1年以内だ。
オレたちは、新たな子が誰の生まれ変わりだか見極め、同じ名をつけ、再誕と再会を祝福する。そしてまた生まれ変われるよう、勇敢に戦うんだ。
彼等は決して死を軽んじているわけではありません。生まれ変わり、じき再会できるのだから、死は一時の別れに過ぎないと考えているのです。
ゴウセツは風習の違いに驚きの声を上げるのですが――
それはドタール族にとって誇りそのもの。友好的な雰囲気が一瞬にして引いていきます。しかし、仲間を助けたことに免じて、サドゥは偵察を許可してくれました。主人公達は何か情報を得るため、集落へと向かいます。
「勇猛なるドタール」
前世はホトゴ族との戦いで獅子奮迅の活躍をし、死んでしまったというコヤル。
娘の弓の腕を自慢するメルゲン。娘の前世はメルゲンの幼馴染だったのだそう。
再会の市で喧嘩をしていたココ。“最初の” 彼は女性だったため、女性風の名前なのだとか。
当然、全員前世の記憶はありません。しかし周りの者が前世の者と同等に扱うため、問題になりません。身体の性別は魂の根源に関係などありません。例えば当代のサドゥは随分男前な性格ですが、それは前三代のサドゥが男性で、まわりもそのように扱ったからなのだそうです。
魂を軸に、独特な文化を持つドタール族。彼等が生まれ変わりを信じ、それ故死を恐れず戦う一族であることは間違いありません。
しかし、武力が一族の趨勢を決めるアジムステップにおいて、これほど勇猛果敢な一族の集落が小さいのは一体何故なのでしょうか。
「命を焦がす夢」
死の獣
ドタール族の風俗について理解は深まりましたが……マグナイの指示は終節の合戦に向けた偵察。何か特別な用意をしている様子も伺えず、このままでは報告すべき話がありません。
当たって砕けろ、ゴウセツはサドゥに直接聞くことにします。
ドタール族は事前に準備をしていたわけでもなく、隠しているわけでもありません。小細工や奇襲などせず、正面からぶつかるのみ。それこそがドタール族の全てで、それこそが彼等の強みなのです。
しかし、実力があるにも関わらず繁栄していないドタール族。
何故なのかとゴウセツは問います。
ドタール族は、しばしば「死の獣」と喩えられる。多くを殺すが、多く死ぬ……戦場に放たれれば、死体の山しか残らない、とな。
その中には、魂の輝きが足りず、生まれ変われない奴もいる。すると、生まれてくる赤子の数が、死者の数を下回る……。
遺された者は、一族の衰退を止めるため、よりいっそう鍛練を積み、魂を輝かせようとする。それによってまた栄え……オレたちの歴史は、その繰り返しだ。
彼等は死を恐れません。しかし、それは死んでも良いからではありません。
懸命に戦い、魂を輝かせ、生きて次に繋げるために。
今衰退の底にあるからこそ、彼等は戦うのです。
ドタール族は小細工などしない。正面から戦うのみ。それがわかっただけでも僥倖といえるでしょうか。主人公達は帰ることとします。
その前に、ゴウセツたっての願いにより、ゲセルの遺体が置かれている場所に立ち寄ることになりました。
サドゥ
本気で合戦に出るなら、次会うときは殺し合いだ。変に情をもつようなら、うちの部族に入れちまうぞ?
テメェらは、合戦を盛り上げるための燃料だ。くれぐれも、オロニル族なんぞに拐われずに戻れよ。
シャル
ゲセルにしばらく会えないのは残念よ。
けれど、油断したとはいえ、彼も魂を輝かせたはず。いつかきっと、また会えるわ。
命の本懐
魂の抜けた体は、ドタール族にとって土と同じ。意味をなさないものです。
そのことを示すが如く、ゲセルの遺体はそのまま打ち捨てられていました。
魂は巡る。またすぐに会えるのだから、死を悲しむことはなく――むしろ死すら、その生きざまに組み込まれている。
ゴウセツは、そんな彼らの墓場とも呼べぬこの場所に潔さを感じ取っていました。
最初に話を聞いたときは、またおかしな部族がいたものだと思ったが……真の在りようを知れば、武士にも通じるものがござる。
……拙者たちも、主君のためとあらば、命さえ投げ打つ。しかし、それは死を好ましく思うからではない。己が死の先に、果たせる大義があると信じるがゆえ。
幕を引くはここぞと知り、心血を燃やし尽くせるは、まこと命の本懐にござる。
つまるところ、拙者も……そのような死場を求めているのでござろうな。
とはいえ「まだその刻ではない」と笑うゴウセツ。
以前イサリ村でその身を投げ出した時も、果たすべき天命に従っていた男。彼の胸には今、どのような思いが去来しているのでしょうか。
同日、明けの玉座 牢獄
その頃、人質とされたリセとヒエンは牢に入れられていました。
アタシの故郷には、同じアラミゴ人なのに解放運動を快く思ってない人たちがいる……。こっちで出会った、海賊衆やドマのみんなだって、最初は諦め半分で、帝国を受け入れようとしてた。
彼らの言い分は、わかるよ。だけどアタシ、どこかで……腹が立って仕方ないんだ。血を流してる人がいる、なのにどうして応えないのかって。
大志を抱いて歩み出せど、困難にあうとまず後悔し、次は無性に先を不安がって、しまいには、夢そのものを否定する。叶えたところで、良いことばかりではないはず、もっと利口な選択がほかにある……とな。
人の多くが、その境地にあろうよ。多かれ少なかれ、痛みを経てそこへ至ったのだから、おいそれと責めることはできん。
ただ、その悶々とした苦しみを知った者が、なお高みを見上げ、心を焦がしたなら……きっと気付く。
それはやはり、身命を懸けるに能う夢だとな。
わしとて、25年前にドマが占領されたときは、ちょうど母上の腹の中にいた。独立しておったドマなんぞ、見たこともない!
……だが、父上や、散った者たちの願いだった。そして今も、それを必死に掴もうとしている民がいる。しかれば、その夢、わしが目指さずして誰が目指す!
リセが思い出したのは誰の顔か……
迷いながらも前に突き進む。ヒエンに主人公の面影をみたリセは、どこか吹っ切れたような表情になっていました。
登場NPC
NPC | リセ・ヘクスト NPC | ヒエン・リジン NPC | ゴウセツ・ダイトウ NPC | マグナイ・オロニル NPC | サドゥ・ドタール