当ページでは、以下クエストのストーリーについて、あらすじを書きました。
- 雲海にかける橋
- それぞれの想い
- 幻想を砕く真実
旅の途中、天候に足止めを受けた主人公たちは休息を取り、衝突を止める決心を新たにする。
いよいよフレースヴェルグと対面のときがやってきた。
白亜の宮殿でラッパを吹き鳴らした主人公たちの前に現れたフレースヴェルグ。
イゼルは彼女の知った「真相」によってドラゴン族と人との融和を求めるも……ニーズヘッグの恨みの深さ、そして真の目的を知り、対話は難しいことを思い知らされる。そして彼女に宿るシヴァもまた幻想なのだと看破されてしまった。
千年の年月は人間にとって歴史でも、ドラゴン族にとっては過去の経験。2種族に流れる時間の差が重くのしかかる。
ストーリーのあらすじ
「それぞれの想い」
本項は、以下クエストのエッセンスを抽出し、まとめたものです。
- 「雲海にかける橋」
- 「それぞれの想い」
白亜の宮殿へ
白亜の宮殿に向かう道を、村一番の薬師であるモグタンの案内にて進みます。
アサー天空廊に到着。
モグタン:
邪竜様配下の暴れん坊を近づかせないよう、じっと睨みを利かせているくぽ!
エスティニアン:
まさか、これほどの橋が、ドラヴァニアの空に存在していたとはな……。
アルフィノ:
これまでに読んだどんな文献にも、このような遺跡の存在は記されていなかった……。
イゼル:
南西に見える、美しい彫像……。きっとあれは、聖女シヴァの姿を模したものね。
白亜の宮殿はもうすぐなのですが……モグタン曰く、今日の風ではフレースヴェルグは雲海の下に潜っているため、呼んでも会えないのだとか。
そのため、天気が好転するまで焚き火を囲みつつ一休みすることに。
自ら薪拾いをかってでるアルフィノでしたが、聖竜との対面を前に気もそぞろな様子で……エスティニアンのアドバイスによって主人公はアルフィノの護衛を行いつつ、休息のための準備を進めます――。
モグタン:
怖いだけかと思ったけど、エスティニアンも、優しいところがあるくぽね。
エスティニアン:
アルフィノが戻ったら、飯にしよう。氷女が、シチューの用意をしてくれたもんでな……。
焚き火を囲んで
温かいな……。それに、焚き火から立ち上る焔を見つめていると、見知らぬ土地にありながらも、どこか安らぎを覚えるよ。
この前までは、薪拾いさえ、やったことがなかった坊ちゃんがよく言うぜ。
ハハハ、確かにそうだね。エスティニアン殿に教わるまで、焚き火に適した薪の選び方すら知らなかった……。
シャーレアンの有力議員の息子として生まれ、最年少で魔法大学への入学を許され、神童と持てはやされた。知識では、並みの大人に負けはしないと傲っていたんだ。自分がどれほど、無知で無力かも知らずにね。
結果、利用され、裏切られ、大切な仲間を……。
そう、私たちは無知だわ。無知ゆえに、戦いの根源が何であったのかさえ知らず、教えられるまま、命じられるまま、戦争に身を投じさえする。
私は、聖竜と出会い真実を知った。そして、無知を利用し、戦争を煽る教皇を倒そうと決意した。自分が罪を犯すことで、融和をもたらせるならと……。
無知であることを認め、常に学び、他者に流されず、信念の道を己の足で歩む……。
その難しさと大切さを、私はこの旅で思い知ったよ。
それでいいのさ。アルフィノ、お前は16歳だったか……同じ年頃の俺なんて、ただ、がむしゃらに槍を振り回すだけのガキだった。
それに比べりゃ、お前は十分に立派さ。俺だって、今になって無知を痛感している始末だからな。
この壮麗な遺跡群を見てみろ……。かつて人と竜がともに生きた時代があったと、それを知らなかったのだと、この俺でさえ認めざるを得ない。
だが、悲しいかな、今は人と竜とが殺し合う時代だ。俺の両親は、ニーズヘッグに殺された。時代のせいと諦められはしない。
俺は無知で、戦いの発端を知らない。だが、この「千年戦争」に終止符を打たなければ、俺のような存在が、増えるだけだということは知っている。
そして、俺には邪竜を止める力があることもな。もし、その力を振るうしかないとわかれば、誰かの命令ではなく、俺自身の選択としてニーズヘッグを討つぞ。
「幻想を砕く真実」
天候が回復しました。
これならラッパの音色はフレースヴェルグに届くことでしょう。
案内役であったモグタンは村に帰り、主人公、アルフィノ、イゼル、エスティニアンは、4人で白亜の宮殿へ向かいます――。
ラッパを吹き鳴らす主人公。
途端にあたりを深い霧が包み込み……
聖竜フレースヴェルグ
その言語はドラゴン族固有の重圧を伴い、頭の中に直接響く不思議なものでした。
イゼル:
あぁ、聖竜よ……覚えておいででしょうか? かつて私は、ドラヴァニアの地で貴方に出会い、すべてを知った者です。
真実を……。そして、貴方が愛した「シヴァ」の心を!
「シヴァ」の名を口にしたその時、フレースヴェルグは怒りをあらわにします。
ドラゴン族と人との融和の象徴であるはずのシヴァ。何故逆鱗に触れてしまったのか分からず、イゼルは動揺します。
イゼル:
わ、私は「シヴァ」の魂を呼び降ろし、この身に宿すことで知ったのです!
彼女の穢れなき心を!
私は、竜と人との融和を願い……彼女の……シヴァの依代となったのです!
“神おろし”の正体
愚かな……。我が愛しきシヴァを、神として降ろしたというのか!
あまつさえ、それをシヴァの心だと!? なんと……なんということだ……。
愚かな娘よ……。光の意思に助けられ過去を視たようだが、それで、すべてを見知った気になったか。
お主が呼び降ろしたものは、断じてシヴァではない。
それは、お主が心に抱いた幻想にすぎぬ。
かつて我が同胞も、太古の昔、闇の使徒にそそのかされ、死した竜の王を呼び降ろしたことがあった。だが、降臨したそれは、神とは名ばかりの存在であったぞ。
神降ろしとは、神を創造する行為にほかならぬ。弱きものが信仰にすがり、その内に見せる幻よ……。
弱き娘よ……。
お主の魂は、お主の創り出した神によって穢されている。
“それ” は、シヴァの魂ではない。
融和を為せとどの口が
聖女シヴァ。
聖竜フレースヴェルグと愛し合い、末に自ら身をささげてまでドラゴン族との融和を願った女性。
イゼルがすがり、危険を承知でその身に宿したと思っていた“それ”は……イゼルが作り出した“氷結の幻想”でしかありませんでした。
しかし、それでも。
主人公達は竜詩戦争を止めるため――不毛な争いの因果を断ち切る為にここまでやってきました。
竜と人。生きている時間も、持ちうる魂も、何もかもが違う2つの種族の断絶は、しかしアルフィノの思うよりずっと深く、広く。
フレースヴェルグ:
欲望と裏切りの魂を持つ民が、まだ融和を叫ぶか……。
ならば聴け、己が種の穢れた真実を……。
それでも融和を成せと言えるか、己の心に問うがよい!
忘れがたき呪いの詩
今から1200年の昔、我らはシヴァの種を超えた愛により、人との融和の時代を迎えていた……。だが、我ら竜と交わるにつれ、人は我らについて学び、「七大天竜」の力の源が、その「眼」にあることを知った。
そして、200年の歳月が流れた後、人は欲望に負けた。
当時のイシュガルド王「トールダン」なる男は、竜の力を手に入れようと、邪な野心を抱いたのだ……。
トールダンは配下の騎士たちと共謀し、七竜に連なる「ラタトスク」を謀殺したのだ!
おおお、我が瞳は今でもその光景を消し去ることができぬ!
忌まわしき男トールダンは、我が妹たるラタトスクから、双眸を刳り抜き、騎士たちとともにこれを食らったのだ!
奴らは「竜の眼」を食したことで、人を超えた力を手に入れた。恐るべき業の深さよ、人とはここまで堕落できるものなのか……。
血を分けたラタトスクの双眸を刳り貫かれ、殺された様を見て、ニーズヘッグが血の涙を流し、怒り狂ったのは当然のこと!
しかし、トールダンを殺し、騎士を数人打ち倒したところで、奴もまた眼を人に奪われ、退かざるを得なくなったのだ……。
これこそが真実……。これが、竜と人との戦いの始まり。
我ら竜族にとって、忘れがたき呪いの詩……千年継がれた「竜詩戦争」は、かくして今も続くのだ。
ラタトスクへの鎮魂歌
イシュガルドで建国神話を聞いて育ったエスティニアンにとって、自分の知るそれと全く異なるフレースヴェルグの言葉は信じがたいものでした。
しかし、彼等は千年万年を生きる七大天竜。伝承で伝え聞くイシュガルドの民とは異なり、その言葉は自ら体験した者の言葉です。
フレースヴェルグ:
ニーズヘッグの目的は、王と騎士たちの子孫……すなわち、イシュガルドの民を永遠に苦しませることだ。
生かさず殺さずの戦いを続け、人を疲弊させる。
さすれば、争いに疲れた者の中から、竜の軍門に降る者(異端者を指す)が現れよう?
そして、その者らに竜の血を飲ませる。
ラタトスクの眼を喰らった王と騎士の子孫は、身に竜の因子を宿して、生まれてくるからな。
イシュガルドの民が竜の血を飲めば、内なる因子が目覚め、竜の眷属へと生まれ変わる。
これを永遠に支配するのが、ニーズヘッグの狙い……。
むろん、徹底的に抗戦する者もおろう……そこなる竜騎士のようにな……。
だが、いかに抵抗しようと、人は100年もすれば死ぬ。その子らを、再び苦しめ、軍門に降らせれば良い。
絶対的な力を持つニーズヘッグ。
本気を出せば一瞬でイシュガルドを滅ぼせるだろう邪竜が、生かさず殺さずの戦いを千年も続けていたのには理由があったのです。
戦いを続けることこそが、ニーズヘッグの復習であり、目的。
そんな彼に戦いを止めろと願うのは無益なこと――
戦いの発端が人間の裏切りだというのであれば、眼を還して謝意を伝えるべきだとイゼルは主張しますが……
フレースヴェルグ
哀れな娘よ……まだわからぬのか。竜と人とでは、あまりに時の尺度が異なるのだ。
お主が謝罪の言葉を述べるのは簡単なこと。発端となった裏切りは、お主自身が成したことではなく、遠い昔の「歴史」に過ぎぬのだから。
だが、我ら竜にとって……ニーズヘッグにとっては、未だ色褪せぬ、「今」なお続く心の痛みなのだ。
かつてミドガルズオルムにもかけられた言葉が、千年という時間が、重くのしかかります。
フレースヴェルグは飛び去ってしまいました。
聖竜から得られた新たな真実は、無残にも“幻想”を砕き、主人公達は打ちひしがれるのでした……。
イゼル:
私が感じたシヴァの心は……すべては……幻想だったというのか……。
エスティニアン:
「氷の巫女」の思惑は外れたな。……となれば、やることはひとつだけだ。