当ページでは、以下クエストのストーリーについて、あらすじを書きました。
- 去りし日々の告白
- 心は遠い空に
- そしてふたつの名は消える
ストーリーのあらすじ
レベル56「去りし日々の告白」
不浄の三塔へ
リエルにドラゴン族の血が混じっている可能性がある。それはイシュガルドに住む彼女にとって困難な結果をもたらしかねないものでした。
本人は竜の血を飲んでいないと言いますが、それだけで否定できるものではありません。
真実を知る為、ドラゴン族に見せる必要があると考えたシドゥルグはしかし、ドラゴン族との交渉が困難であることも理解しており、難儀していました。
そんな彼に主人公は、ドラヴァニア地方に知り合いのドラゴン族がいるから交渉してみようと提案。
3人はそれぞれドラヴァニア地方の不浄の三塔へ向かいます。
竜の血の力
不浄の三塔にいるヴィゾーヴニルは、リエルを見ひと目見て何かを把握。
「グロン・アールム」という花を摘み、それをモーン大岩窟におる老竜に渡すよう言われます。
花を摘んだ一行は、モーン大岩窟にいる「死期を悟る老竜」のもとへ向かいました。
グロン・アムールはその竜が好んでいた花であり、ヴィゾーヴニルは主人公達をかの竜に引き合わせるために花を用意させたのでした。
というのも……老竜はリエルから夫であるつがい竜の匂いがすると言うのです。
死期を悟る老竜:
この幼きヒトの内には、確かに我が夫の……ドラゴン族の血が流れている。しかし、ヒトの血とよく混じっているようだね……。
おそらく、父と母のどちらかが、我が夫の血を呷(あお)り……その後に授かった子なのだろう。
……我ら竜の血には、ヒトを竜と成す力がある。だが、最初の変異はごく短期間におわり、姿は戻るのだ。
幾度も血を呷ってこそ、完全な変貌に至る……。
もし、竜の血を飲みながらも、完全な変貌を遂げる前に、ヒトの姿で子を儲けたなら……生まれた命は、ヒトそのものの形をとるだろう。
リエルが神殿騎士から追われる理由。それは親が呷った竜の血が原因でした。
竜人と人との混血児。イシュガルドにとっては禁忌の存在であり、正教は、是が非でも消しにくるでしょう。
死期を悟る老竜:
極意とはまた、大層なことを……。たかだか500年と生きない短命のヒトが、いかなる真実を極めようというのかね……?
……負の感情の源流であり、護るための強さとなる心だって?
ふむ、お前たちの様子を見れば、とっくにわかっていそうなものだがね……。
その心は、老いた私が口にするには、いささか青臭すぎる。ただ、遠い空に棲む、私の小さな友人たちならば、高らかに謳いあげてくれるだろう……。
老竜はしかし、それ以上言葉を紡ぐことなく、覚めることのない眠りへと落ちてしまったのでした。
リエルの“家族”
忘れられた騎士亭へ帰った一行は、リエルが背負う運命の重さに言葉を失っていました。
そこへ……街中にもかかわらず、イシュガルド正教から使者がやってきたのです。
イストリドと名乗る彼女はリエルの処遇について全権を預かっているといい、3人との決闘を申し出ます。
主人公達が決闘に勝てばそれ以上の手出ししないことを約束。見え透いた罠に違いはありませんが、主人公達にこれを断る道は残されていませんでした。
決闘の日付は追って連絡すると、彼女は踵を返します。
その時でした。
イストリド――リエルの母親が去った後。
以前、リエルに家族について問うた際、彼女は「いない」と答えていました。
リエル:
お母さん、牢屋に入れた私に、もう娘じゃないって……家族だった記憶は消せって、言ったから……。だから…………。
血のつながった娘に刺客を差し向け、殺そうとしているイストリド。
どこまでも腐ったイシュガルドの暗部に、シドゥルグは怒りを隠せませんでした。
リエル:
……黙ってたこと、ごめんなさい。言いつけを守ってれば、許してもらえると思ったの。
だけど…………。
レベル58「心は遠い空に」
遠い空に棲む、小さな友
リエルの本名は、リエル・ド・コーリニョン。
高名な聖職者や、正教機関の重役を輩出している名門貴族コーリニョン家の現当主であるイストリド・ド・コーリニョンは、ある貴族の男を婿に迎えて、後にリエルをもうけます。
その男が異端者に賛同している過激派であり、秘密裏に竜の血を飲んでいたとも知らずに。
数年後、コーリニョン家で得た情報を異端者に流し終えた男は更に竜の血を呷(あお)り、完全なドラゴン族となって一家を滅ぼそうとします。その野望は精鋭の騎士たちによって阻まれたものの……男の血、そして竜の血を引くリエルが残されました。
母親イストリドは、実の娘リエルを幽閉。その命を奪う直前、おそらく正教に忠義を見せるために命を狙っているのです。
いずれにしろ、暗黒騎士としてすべきことはイストリドとの決闘に勝利し、役目を果たすことのみ。自らの土俵に引き込み、是が非でも勝利を求めるイストリドに対抗するため、暗黒騎士の極意を得なければなりません。
3人は、老竜が残した言葉である「遠い空に棲む、小さな友」――つまり雲海に棲むモーグリ族に会うため、モグモグホームへと向かいます。
無事到着した高地ドラヴァニア地方のモグモグホームにて「小さな友」モグッチに挨拶する一行なのですが……リエルは全く口を開こうとしません。
「返事くらいはしろ」と叱るシドゥルグでしたが……。
リエル:
……………………やだ。
だって、何を言っても、シドゥルグを怒らせて、主人公を困らせちゃう……。
お母さんも、優しかったのに、私が怖くさせた。
私、本当は、護ってもらえるような良い子じゃない……。なのに、シドゥルグたちにたくさん痛い思いをさせて、旅もさせて、次は決闘で死なせちゃうかもしれない。
フレイだって、私のせいで死んだの……!
嫌なら、迷惑なら、そう言ってくれればいい……。
黙ったままなのは、シドゥルグの方だよ……!
私なんて、やっぱり生きてちゃいけない……。最初に、神殿騎士に殺されちゃえばよかったんだ。
シドゥルグも、主人公も、誰かを護って「暗黒騎士の極意」を手に入れたいなら、もっとほかの子を護ればいい……!
突然感情を爆発させたリエルに、シドゥルグはうまく言葉を紡ぐことが出来ず、2人は喧嘩となってしまいます。
その様子をみていたモグッチ。
何やら得心がいったようで、暗黒騎士の極意とは「アレ」に違いないというのでした。
ただし、「アレ」は言葉では説明できない。知りたくば行動あるのみと、ポンポン草を摘んで来いだの周囲で暴れる魔物を狩ってこいだの、「アレ」と関係があるのか怪しい雑用を押し付けてきます。
背に腹は代えられないと、素直に指示を受けるシドゥルグと主人公。
リエルをモグッチに任せ、一心不乱にクエストをこなしていると……
なんとモーグリ達がリエルをさらってしまったのです。
シドゥルグと主人公はモーグリ族達と戦闘。力づくでもリエルの行方を聞き出そうとします。
モグらはそれを「愛」と呼ぶ
その時、モーグリ達は慌てた様子で「シドゥルグは何故そんなに怒っているのか」を問いかけます。
シドゥルグにとって、リエルはあくまで赤の他人。いくら暗黒騎士の極意を極めるためという建前があったとしても、それは命をかけてまで護る理由にはならないはずではないのか? との問いに言葉を詰まらせるシドゥルグ。
そんな彼に、モーグリ達は素直になれと歌いだすのでした。
♪ くぽぽくぽ 負けないための心は なあに ♪
♪ とっても大事に思うもの なくしちゃうのは怖いくぽ ♪
♪ なくしちゃうのが怖いから 必ず護ると奮い立つくぽ ♪
♪ その心はメラメラ燃えて ♪
♪ いざというとき つらいとき キミに力を与えてくれる ♪
♪ ……さあ 答えはもうわかるくぽ? ♪
♪ キミが探す その心 ♪
♪ モグらはそれを 「愛」と呼ぶくぽ! ♪
奥からモグッチとリエルが現れます。
そう、これは狂言誘拐。リエルはさらわれてなどおらず、シドゥルグと主人公に「アレ」……つまり「愛」を教えるためのモーグリ達の策略だったのでした。
しかし、リエルは俯いたまま。
リエル:
私だって、みんなが大事……。生きてちゃいけないって言われた私を護ってくれた、フレイやシドゥルグ、主人公が大事だよ。
だけど、私がいるから、みんなが酷い目にあう……。怖いよ……私は、どうしたらいいの……?
シドゥルグ:
お前が背負った運命のことだ。どうすればいいかなど俺に聞くな、自分で考えろ。
……ただ、いつか道を選ぶ日がくるまでは、俺が守る。
だから、今は頼れ。
生きることだけは諦めるな。
愛を受けることなく育ったリエル。愛を表現することのないまま接してきたシドゥルグ。
そんな2人は、この時初めて自分の気持ちを……「愛」を吐露したのです。
最初の暗黒騎士
忘れられた騎士亭にて。
シドゥルグ:
帰りの道すがら、「最初の暗黒騎士」の話を思い出してな。
そいつは高名な騎士でありながら、貧民の少年少女を弄んだ聖職者を斬ったことで、暗黒に堕ちたと糾弾され、決闘裁判にかけられた。
実力で勝利を収めたものの、騎士の証である爵位は没収。以降、そいつは紋章が描かれた盾を捨て、「暗黒騎士」として、弱き者を護ることに生涯を費やしたという……。
果たして最初の暗黒騎士が抱いていた感情は、権力者への「怒り」だったのだろうか。
極意を知った今、シドゥルグはそれが護るべき者達への「愛」だったのではないかと考えていました。
怒りとは正反対に思える愛こそが暗黒騎士の極意である、という答えに、シドゥルグは未だ悩み続けています。
それでも決闘裁判の時は迫っています。
必ず勝つという決意を胸に、その時を待つのでした。
レベル60「そしてふたつの名は消える」
決して引かぬ
遂にイストリドから決戦の報せが届きました。
場所はクルザス西部高地。正式な決闘裁判の場所ではなく、相手に有利な戦いとなることは間違いないでしょう。
しかし、暗黒騎士とは『血を捧げ、肉を削ぐこととなろうとも、決して引かぬ』もの。
極意を真に己のものにするためにも、そしてリエルのためにも、引くことは許されません。
3人はいよいよ決闘の地、クルザス西部高地のスレート連峰へ向かいます。
リエル
主人公……あのね…………今までたくさん、ありがとうございました。
私は、護られてばっかりだけど……ふたりの背中に、少しずつ、強くしてもらった気がするの。
「暗黒騎士」が、ひるまずに敵に進んでいくところ……後ろの人を護ろうって気持ち……それが伝わってきて、勇気をもらうんだ。
……だから、私も、ちゃんと戦う。最後まで、諦めずに生き抜けたら……きっと明日も、遊びにきてね。
決闘
決闘の地で待つイストリド。
身勝手な想いを口する彼女に対して……
これ以上は一つの傷も許さない。
シドゥルグは宣言し、いよいよ決闘が始まります。
決着
縁もゆかりもないリエルのために、命を懸けるシドゥルグと主人公。
何の栄誉もない戦いを何故続けるのかという問いかけに対して……
シドゥルグ:
栄誉、か……。モーグリ族の問いの方が、よほど血が通っていたな。
お前には、決してわからないだろう。だが、これが「暗黒騎士」の誇りで、力だ……ッ!
シドゥルグはその大剣を一閃するも……
しかしその刃は寸でのところで止められました。
シドゥルグ:
……首は見逃してやる。ただし、慈悲などとは思わんことだな。
リエルの前でお前を殺し、傷を残したくはないだけだ。
お前の命が、誰に護られたのか……わかったなら退け、永久にな。
慈悲をかけられたイストリド。
しかし彼女の眼は黒い感情を抱き続けたまま……命ある限りどこまでも追い続けると宣言するのです。
決別
狂気の母を前に、しかしリエルは――
リエル:
逃げていれば、いつか……夢が覚めるみたいに、終わるんじゃないかって思ってたの。
でも、そんな私を護るために、シドゥルグや主人公が受けてくれた傷が、前に進むってことの痛みなら…… 私も、それを受け止めたい。
痛くても、悲しくても……諦めないって約束したから。
リエル:
シドゥルグ……。おねがい、私に力を貸して。
“コーリニョンの娘”は、ともにゆきます。
でも、“私”は生きるよ……お母さん!
決意
戦いは終わりました。護るべきものは護られ、暗黒騎士2人はその極意たる心を理解しました。
リエル:
うん、すごく痛いよ……。だけど……だから私、生きてるんだ……。コーリニョンの娘じゃなくなっても……これからも……。
リエル・ド・コーリニョンは、二度と使われない名前。それでも、私は生きてるよ。
……護ってくれて、ありがとう。
暗黒騎士は自らを盾に戦います。
多く傷つき、それでも前に進み続けるのです。
その姿はきっとこれからも、誰かに前を見る勇気を与えることでしょう。
孤独に、いばらの道を歩む暗黒騎士。
しかしそれでも。
振り返ればきっと、孤独ではないのです。