2023/03/18 メインクエスト5.0-漆黒【05.アリゼーを探して】を更新しました。

【FF14・雑記】暁月のフィナーレネタバレ有感想 ~エオルゼアの中心で愛を叫んだケモノ~

監視者の館

FF4ネタのバブイルの塔を超え、FF4ネタの集大成たる月へ。

第一印象は「もう月なの!?」でした。だってタイトルロゴにまでなっている場所だし(実はこのロゴは月ではなくウルティマ・トゥーレなのだそう)、事前広報でも大きく取り上げられていた場所だし、なにより宇宙ですよ。もっと後半にドーンと行くのではないのですか。この段階でまだレベル83ですよ?

動揺は隠せず……しかし、やはり最初の一歩は感動とともにありました。
空気が(あるけど)無い故にパキッとした背景。そして空に浮かぶ美しきハイデリン。

ここは、外だ。ああ、遠くまで来た。

古代人の館にて、月の監視者と出会います。古代人然とした彼との出会い、そして建物の様式から、原初世界で初めて感じる「古代」。今まで古代といえば、第一世界でしか感じられなかったので、初めて原初世界で感じる古代を感慨深く思いました。

あと、古代人の館は大きさが古代人サイズですべて巨大なので、手すりが意味をなしておらず、何度も落ちちゃった。

ゾディアーク

月に封印されているゾディアークは、終末を、絶望を「押し付けられた」古代人のほとんどを柱に召喚された蛮神です。現在はハイデリンの力で封印されているものの、物語において封印というものは解かれる為に存在しています。

案の定、ファダニエルに解かれる鎖。そして

ファダニエルはゾディアークと同化します。

結局、彼がしたかったのは世界を巻き込んだ自殺だったわけです。したかった……というのも多少語弊がありますが。
何もしたくなかったんでしょう。あまりに人類に、世界に、そして生命に絶望してしまった。それは長年の積み重ねが故なのか、彼の「アモン」の記憶が故なのか、それとも魂が故なのか……今となっては知る術もありません。理解できなくもありませんが、それは決して許してはいけない行為でした。

こうして、実はゾディアークのお陰で防がれていた終末の厄災は解き放たれ、「主人公と戦いたい」の一心で行動していたゼノスには、それどころでは無いと興味を失い、道を違えます。
少し可哀そう……とも思いましたが、「あなたの我儘に付き合っている暇はないもので」というのが本心でした。

レポリット

全盛期のハイデリンはゾディアークを封印し、世界を分割し、月を作り出し、その月を船に作り替え、星に生まれた「なりそこない」の人々を導く存在でもあり、それこそなんでも出来る存在であったわけですが……

作り出した月のクルーがこんなにもかわいらしい存在であったのは、彼女の好みだったのでしょうか。曲もFF4の街のもので、過酷な旅路ではあるものの、少し癒される瞬間でした。

月から、「協力者」のお陰で得られる地上の情報をもとに、はるか宇宙をかけるための舟を作り続けるレポリット達。少しずれてはいたものの、アーテリスの生命達が快適に過ごせるよう、費やされた多大な努力を前に、ハイデリンの愛を感じます。
少し、ほんの少しだけ胡散臭いなと思って申し訳ない。ハイデリンに抱いた気持ちと同じ気持ちをレポリット発ちにも抱いてしまった。

結局のところ、過剰な愛と使命感故にすれ違いも起こるわけですが。

レポリット達は言ってしまえば「端末」です。個体に差はほぼなく、区別する必要なんてありません。それでも彼らは、自分が「こうありたい」と願いを込めて、自分に名前をつけていました。

この「名前を付ける」ということそのものが、FF4の引用なんですよね。
もともとレポリット族は、「ネーミングウェイ」という名前を変えられるNPCでした。

そんな彼らが「名前をつけること」そのものに理由を見出す、とストーリーに組み込まれるなんて……そんなの想像できます?

生きるということ

かつては、あまりに自分の道をゴーイングウェイしすぎていた故に、人とのかかわりが得意でなかったウリエンジェ。

彼はレポリットに問われた「生きる理由」を、かつて失った最愛の人ムーンブリダの言葉を引用し、こう述べます。

まだ読めていない本の続きに期待すること。今日の嫌な失敗が、明日には塗り替えられるようにと願うこと。今話している誰かと、また話せたらいいなと思うこと。
多分、そういうことの積み重ねじゃないか……とね。

本当にそう。そうなんです。

生きることに大層な理由なんてない。生きることに使命なんてない。ただなんとなく明日に期待して、願って、それを積み重ねることこそが命なのだと。

私自身、生きる中で厭世観を抱くこともありました。それでもなんとなく、あの漫画終わるまで死ねないな……とか、あのゲーム発売されるまで生きていたいな……とか。明日に(ほんの少しだけ)期待して、寝て、目が覚めて、そうして人生を積み重ねてきました。

偉大な目標を掲げて、そこに向かって邁進する人はすごいと思います。私にはそれが出来なかった。そんな人をうらやむこともあったけれど、でも、少しの喜びを積み重ねることを期待して生きる……という人生も、きっと真実なのだなと。

……ヘルメスも、そうあることが出来ればよかったのに。

終末の厄災

絶望

月にウリエンジェを残し、地上に戻ります。少しの休息の後……

ラザハンから終末の厄災が始まってしまいました。

獣とは何なのか、そもそも終末の厄災とは何なのか。漆黒の頃から言葉こそ出ていたものの、詳細は分からなかったそれは……

まさしく「絶望」。どうしようもない絶望に堕ちた人が獣に転じて人を襲い、暴れまわり、回りの人をも絶望させて、更に獣が増える……という最悪の悪循環でした。

しかも最初の獣になった人、カルザールはめちゃくちゃ善人の商人なんですよね……かなり心に来ました。世界は、善人に生き難すぎる。

子供が獣になり、別の獣に踏みつぶされる展開はなんかもう。

信仰

一旦落ち着いたラザハンをあとに、マタンガ族のマトシャともに、さらなる混乱が起きているパーラカの里へ。ここでも全然人を助けられない。絶望を防ぐことも、獣に堕ちてしまった人を救うこともできない。ひたすら辛い。この絶望は大きすぎる……。

唯一救えた赤ちゃんを胸に、必死に走るマトシャ。

というか、ニッダーナもそうだったけれど、なんでマタンガ族はこの見た目で皆かわいいCVなんだ! そのせいでなんだか庇護欲が凄く湧くんだ……。

 産まれし者よ聞け 生とはただ美しきものにあらず
 生ける者は苦痛を知り、災難を知り、絶望を知る あらゆる辛苦は降りかかり続ける
 焼けた道を行けど褒賞はなく 道の傍らにはいつも死が口を開いている
 それらはお前を嘆かせ、苛み、悩ませるだろう
 だが、目を閉じてはならぬ かくの如き生を見据えよ
 お前を打ちのめしている辛苦は しかし、お前を弱くはしていない
 ひとつひとつが、焼けた鉄に振り下ろされる鎚に似て お前を強き、強き剣と成すだろう

教えを支えになんとか耐えるも、獣に転じかけてしまう。彼もダメなのかと思った時。

救ったのはヴリトラとエスティニアンの一撃でした。いや、もしかしたら「槍が届く場所まで、絶望せずに逃げる」という意味で、真にマトシャを救ったのは信仰と教えだったのかもしれません。

従来のFF14において、信仰は蛮神召喚の礎となるものであり、あまり好意的なものではありませんでした。しかしここへきて拠り所となったのは、今まで避けてきた信仰だったのです。

人はどうしようもなくなった時に祈るのでしょう。神は何もしてくれないかもしれないけれど……少なくとも、人が立ち上がる支えにはなります。

私自身信は信心深い方ではありませんが――もしかしたら信心深くなくいられることこそ、平和な人生の証左なのかもしれません。

エルピス

古代の世界へ

ここまで導いてくれた、ハイデリンから受け取った花が、あまりに強い絶望故に消失。この花は古代人の言葉で「エルピス」と呼ばれるものらしく、主人公は唯一残ったアシエン……第一世界のクリスタルタワーに封印されているエリディブスのもとへ向かいます。

話聞くだけだと思ってました。

誰が古代にタイムスリップする展開を想像できたでしょうよ!

しかも共に歩むのは在りし日のヒュトロダエウス、そしてエメトセルク!
漆黒でプレイヤーの心にあれだけ残ったふたりと、まさかこのような形で出会えるとは。

加えて、ハイデリンの元となったヴェーネスとも出会います。

からからとして気持ちの良い女性でした。先代のアゼムを務めただけのことはある。

古代の世界は、噂に違わず素晴らしい「理想郷」でした。
理想の世界で、疑うことをしない。

それ故……

ほんの少しの疑問が、好奇心が、大きな因果となって返ってきます。

ここは、すばらしい新世界。完璧で……同時に、終わりの始まりの世界でもありました。

命の定義

彼ら古代人は、創造魔法の使い手です。エーテルの扱いに長け、様々なものを自由に生み出すことができます。
それは命も然り。しかしどうやら魂を作ることはできないようで、ガワだけ用意し、自然と魂が宿るのを待つことで命を作り出していたようです。

見た目は同じでも、考え方は大きく違う古代人と私たち。牧歌的で平和な世界はありますが、どこかうすら寒さも感じていました。おそらく同じような感情を、アシエン達は1万年以上も感じ続けていたのでしょうね。

いつもヘルメスの傍らにあるメーティオン。彼女はヘルメスの創造魔法によって作られた生命……もしくは魔法生物であり、想いを現象へ転じる「デュナミス」を操れる存在だといいます。

FF14の世界では、主人公は敗れる度、想いを力へと変えることで超えてきました。それはゲームとしてのご都合的なものではなく、ちゃんと現象だったのです。

当然後付けの設定でしょうけれど、FF14はこういったつじつま合わせが滅茶苦茶うまい。

リンゴ

理想郷にて、ほんの少しの疑問を抱いていたヘルメス。彼の「生命の意味を知りたい」という願いを受けたメーティオンの同位体達は、ほかの星の生命から答えを得るため、はるかなる宇宙へと旅立っていました。

そして、その答えは「絶望」。

デュナミスを操るために、他人の感情を引き受けやすくなっていたメーティオンは、終わりこそが救いだと信じ……

終末の厄災は、彼女によってもたらされていたのです。

ところで、果たしてヘルメスが悪いのでしょうか。メーティオンが悪いのでしょうか。
私はどちらも悪くないと考えています。まあ、ヘルメスはきっかけの一端であったとは思いますが。

ヘルメス自身も疑問を抱いていたように、古代の理想郷は古代人にとってのみ理想郷であり、その他の命に対してあまりに無頓着でした。確かに彼らは完全な存在であり、ビーカーの中で生まれた不完全な命に対して何ら思うところがなかったとしても不思議ではありません。「アーテリス」を美しくするための苗木を育てている、くらいの気持ちだったのかもしれません。

しかし、ヘルメスはそんな自分達の在り方、命に対する考え方に疑問を抱いた。結果として、それは宇宙の果てから終わりと絶望を連れてくる結果となったわけですが……個人的には、遅かれ早かれ同じところに行きつく古代人は現れたのではないかと思います。

それが、たまたまヘルメスだった。
そして、彼がたまたま技術を持つ責任者だった。

それこそ、理想郷に生る「リンゴ」を食べてしまったのでしょう。

覚えていろと言った男

ヘルメスは、生きる意味を求めて答えを外に求めました。しかし、その答えは絶望。

暴走するメーティオンに対して……ヘルメスは、「生きることに意味などない」という答えを尊重する決意をしてしまいます。

それはきっと上っ面は正しくて、でも正解じゃなかった。

大多数の回答である「外の答え」を是とし、生きたいと願うアーテリスの命たちに選択の余地を与えなかったのは、彼が古代人であるが故なのでしょうか。ヘルメス自身に罪があるとするならば、私はここにあると思います。

いや……ヘルメスは、メーティオンの報告もほかの命もどうでもよくて、ただメーティオンを消し去りたくなかっただけなのかもしれません。それはそれですごく「人間らしい」とも感じてしまいます。いわゆるセカイ系の物語の主人公ですよね、彼。

だからといって、世界の皆が黙って絶望に飲まれる道理はないわけで。

ヘルメスの起動した記憶消去装置にて、ヒュトロダエウスとエメトセルクは主人公との出会いの物語を忘れてしまいます。

「ならば……覚えていろ」と言った男が、実はすべてを忘れていたという皮肉。

シャーレアンで聞いた記憶の話が事実ならば、彼はそれを消滅の間際に思い出したはずで……そりゃ、素直に魂がほどかれるのを待つわけにはいきませんよね。

覚えていた女

一方、記憶消去装置を逃れ、全てを覚えていたヴェーネス。ここからひとり――たったひとりで、1万年以上もの過酷な道を歩みます。その手は血に染まり、少しずつ人の形を失い、期待して裏切られ、それでもハイデリンとして歩き続けて。

主人公がこの世界に生まれ、光の加護を与えた時。ハイデリン自身がどれだけ嬉しかったことでしょう。

貴方の旅は、良いものでしたか?
私の旅は……ヴェーネス、あなたのお陰でとても良いものでした。

こうして、過去と現在は交錯し、ハイデリンの想いは明らかになりました。

本当に、よく折れずにここまで。

現代につながるまでの長い時間の中で、少しでも、ヴェーネスが「不完全な生命」に頬を緩ませ、心癒させる瞬間があったはずだと、願ってやみません。

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