2023/03/18 メインクエスト5.0-漆黒【05.アリゼーを探して】を更新しました。

【FF14・雑記】暁月のフィナーレが公開された今、一人でも多くの人にFF14を体験してほしい

2021年12月7日、当初の予定から2週間遅れて、Final Fantasy XIV(以下、FF14)拡張パッケージ「暁月のフィナーレ」(以下、暁月)が発売されました。
「ハイデリン・ゾディアーク編」と(いつの間にか)銘打たれた物語が終焉を迎えたわけですが、私がFF14の強火のファンであるという事実を差し引いたとしても、素晴らしい体験であったと自信を持って言えます。
本記事は、暁月で抱いた感想をネタバレに触れない形で昇華させようと試行錯誤し、書き上げたものです。願わくは、一人でも興味を持ち、FF14の世界を体験してもらえますように。

最初に大切なことを。終わりという言葉を頻繁に使っていますが、FF14のサービスが終了するわけではありません!
あくまで「ハイデリン・ゾディアーク編」の物語が終わっただけであり、サービスは続きます。これからも私たちの冒険は続くのです。

なお、本格RPG2本分がプレイできるフリープレイもあります。フリープレイ、つまり無料です。
気になったら始めてみましょう!

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エオスト -Story of Eorzea- では、Final Fantasy XIV(FF14)のクエストストーリーをまとめています。あらすじ記事は以下のリンクよりどうぞ。



本文

FFシリーズの集大成

FFシリーズは、従来タイトルごとの関連性はほぼなく、毎回設定や世界感はもとより、戦闘システムに至るまで大きく変更しながら積み上げられてきました。
一方FF14は、「シリーズのテーマパーク」をキーワードのひとつとして製作されており、過去作のオマージュが積極的に取り入れられています。但し、過去作をプレイしていなければFF14が楽しめないという性質のものではなく、知っていればより楽しめる余地がある、というレベルのものです。

その緩いオマージュが故に「先にFF14を遊び、その元ネタを探しに原作のFFを楽しむ」ということもできます。

【雑記】FF14はFF過去作を現代に蘇らせる可能性を秘めている

1度で2度おいしいゲーム。まあ、FF14は「1度」というレベルの物量ではないのですけれど。
シリーズタイトル数がギネスに掲載されるほど多いFF。14は長いとはいえ、FF1の発売から35年以上にわたり連綿と続けられてきた歴史を、ある意味効率の良い形で楽しめる……というのは、言い過ぎでしょうか?

間違いなく長い

この記事を書くにあたって、2013年9月から稼働している私のメインアカウントのプレイ時間(/playtime)を調べてみました

239日19時間30分

……わあ。ログインだけして放置している時間もあるとはいえ、それでも相当エオルゼアで過ごしていることになりますね。

ただ、メインクエストだけを追うのであればここまで時間はかかりません……が、それでも、数十時間は間違いなくかかります。コスパが重視され、「長い」ということが評価されにくい現代において、心理的なハードルになってしまうことは間違いありません。

しかし、黎明期のMMOにあったような「レベルを1上げるのに数日~数か月かかる」とか、「ボスを倒すために数日見張る必要がある」というような面倒なことはありません。クエストを追い、ストーリーを楽しむだけでレベルは上がり、十二分に楽しめるはずです。

FF14の物語は「あなたの体験」

長いということをネガティブに書いてしまいましたが、必ずしもそれは弱点というだけではありません。少なくない時間をFF14の世界で過ごすことで、大なり小なりプレイヤーはこのエオルゼアに愛着を抱くことになります。

長いからこそ――NPCひとりひとりが生き、生活し、そして翻弄されているこのエオルゼアにおいて、プレイヤーは物語を自分事として見て、聞いて、感じて、考えて……数多くの体験をします。

これらは、キャラクターの体験だけではなく、プレイヤーの体験にもなります。

そう、これは「あなたの」体験なのです。

もしかしたら、これを読んでいる人の中には「FF14のストーリーは素晴らしいと聞いたことがあるから知ってみたい」と思っている人もいるでしょう。それは間違いではありません……ありませんが、本質でもありません。

あなたの体験と、それを裏付けるストーリーの融合が素晴らしいのです。

そもそも、ゲームはプレイヤー側が主導的に体験する物語です。ナラティブという言葉で語られることもあります。ゲームは体験が自分事になりやすく、それこそが強みであるともいえます。

FF14は、そんなゲームという媒体の利点を最大限に生かしています。
多くのプレイヤーが自分の体験として、この冒険を楽しんでおり、故に称賛されているのです。

FF10では序盤に、アーロンから主人公のティーダに対して「これはお前の物語だ」と言葉をかけます。しかし、これはあくまでティーダに対して向けられた言葉でした。

対して、FF14では真の意味でプレイヤーの物語になっています。
長いプレイ時間は決して無駄になりません。全ては、あなたの物語なのですから。

物語が終わる幸せ

FF14のストーリーは大きく「新生(2.X)」「蒼天(3.X)」「紅蓮(4.X)」「漆黒(5.X)」「暁月(6.0)」の5つに分かれており、それらをあわせて「ハイデリン・ゾディアーク編」と銘打たれています。

近年、大人気となった鬼滅の刃は23巻という以前のジャンプ漫画では考えられない短さで終わりを迎え、長年トップコンテンツであり続けたエヴァンゲリオンは完結し、そしてFF14の物語は一旦の終焉を迎えました。

かつて長く続くことこそが正義であったコンテンツ業界は、近年「終わる」ことに少なからず価値を見出しているように感じます。

長く続いているコンテンツは世に多く存在しています。それが終わりを見据えて続いているのか、ただ終わり時を見失って続いているだけなのか……前者であれば読者にも救いはありますが、多くの作品が後者でありました。風呂敷が広がっていく様子をただ楽しめた時代であればそれでも良しとされていたでしょうが、最近は違います。というか、ちょっと前の時代が不健全であったように感じます。

そんな「終わり」に価値を持った時代に生まれた暁月のフィナーレは、少なくとも私にとっては素晴らしい終焉でした。

……ですが、きっとこの物語は、概略だけ知っても特になんてことはないでしょう。FF14の世界を聞いて、感じて、考えたプレイヤーだからこそ、万感の思いを抱いてフィナーレを迎えられたのです。

あなたはひとりの冒険者として、大地や海を超え、千年もの時を超え、悠久の時を超え、世界をも超え、そして空を超えて冒険をします。それらの体験は、全て「あなた」の体験となり、最後に最高のフィナーレが待っています。

当然ですが、この体験は全員が全員に刺さるものであるとは思っていません。それでも……この世界を、エオルゼアを、そして体験を愛する一人の冒険者――光の戦として、やはり一人でも多くの人と体験を共有できたらいいなと願います。

本当に素晴らしい体験、フィナーレでした。

終わりに

もし、この文章で新しく冒険を始めてくれた人がいたならば……先輩光の戦士達は、あなたの冒険を逐一詮索したりしないはずです(何事も例外はありますが)。過剰な手助けが、あなたの体験を少なからず削いでしまうことを知っているはずだから。

それでも、手を差し伸べてほしいときには是非声を上げてください。きっと助けに行きます。そうして長い冒険を経て、最後にこのFF14の物語があなたの物語になったならば……その時には是非、あなたの話を心ゆくまで聞かせてください。

もし、興味はあるけれど長さに尻込みしているのであれば……一気にやろうとせず、少しずつ楽しんでください。新生にも、蒼天にも、紅蓮にも、漆黒にも、それらを踏まえて暁月にも、全編にわたって良いところはあります。

ただ、新生にはちょっと思うところがありまして、それについては以前書きました。

【FF14 雑記・考察】新生エオルゼアのメインクエストシナリオが抱える問題点。序盤の「お使いゲーム」という評価はなぜ生まれてしまったのか?

FF14に心血を全て注がずとも、物語を追うだけで十分に楽しめます。いわゆるエンドコンテンツと呼ばれる難しい戦闘もありますが、必ずやらなければいけないものではありません。
一旦休止してまた遊ぶといったプレイスタイルにもあっています。私も常にFF14ばかりやっているわけではなく、様々なゲームを楽しんでいます。

とりあえず、難しいことは一旦おいておいて、一度触れてみませんか。それで面白いと思ったら良し、個人の好みなので肌に合わないこともあると思います。それもまたあなたの体験です。

ここまでいろいろ書きましたが、これ以上に書きたいことは沢山あります。

しかし、きっと言葉を尽くしても、出力した時点で私が心に抱いた感動は既に変容してしまっているでしょう。それでも……形にしないよりずっといいと、足りない言葉に四苦八苦しながらこの文章を書きあげました。

終わりは、寂しい。
でも、幸せなことです。

私にとって最高のフィナーレを迎えたFF14。少しでも多くの人と共有できることを祈っています。そしてこれからも、エオルゼアの世界を沢山「見られる」ことの幸せを噛みしめつつ、この文章を閉じようと思います。

だからスクエニさん。
どうか、FF7Rもちゃんと終わらせてくださいね……!

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