クロニクルクエスト「古の神々」に関するシナリオのまとめが終わりました。
STORY | 2.クロニクル-古の神々【01.昏き微睡みの果つる刻】 STORY | 2.クロニクル-古の神々【02.星の命運を懸けて】 STORY | 2.クロニクル-古の神々【03.黄金色の災禍】 STORY | 2.クロニクル-古の神々【04.永き冥路の果てに】
クロニクルクエスト「古の神々」は、FF6で登場した三闘神をベースに、蛮神封印術をめぐる争いを軸として、蛮神というものの危険性、そして第十三世界――通称ヴォイドの秘密に迫るシナリオです。
しかしながら、扱うテーマは良いとして……シナリオをまとめるにあたっては少々粗が目立ち、矛盾も多いなと思いながら書き進めることになりました。そのため、一部話の辻褄をあわせるために内容の省略・改編を行っております。
本稿は、何故改編したのか、何処を改編したのかについてまとめたものです。
重箱の隅をつつく底意地の悪い記事であると自覚をしているのですが……自分への言い訳、そしてどこを改編したのかを備忘しておくために書き残します。
エオスト -Story of Eorzea- では、Final Fantasy XIV(FF14)のクエストストーリーをまとめています。あらすじ記事は以下のリンクよりどうぞ。
疑問点
ウリエンジェとウヌクアルハイはどこで出会ったのか
クロニクルクエスト「古の蛮神」は、石の家でウヌクアルハイが主人公を待っているところから始まります。どうやら(これも劇中に説明はないのですが)彼はウリエンジェの紹介により、主人公と会うために石の家に来たらしいのですが、一方でウリエンジェとなぜ知り合いであったのかは説明が特にありません。
以下は推測ですが、ウヌクアルハイがが「我が主」と呼ぶ存在、アシエン・エリディブスはウリエンジェとパッチ2.5の時点でコンタクトをとっています。おそらくこの時、ウヌクアルハイとウリエンジェは知り合ったと考えるのが妥当でしょう。
ただし、上記は推測にすぎないため、まとめ記事本文中でも特段書いていません。そのためウリエンジェの登場がいささか唐突にうつります。
加えて……ウリエンジェはウヌクアルハイのことをあまりよく知らないような行動をとったり、言い方をよくします。ウヌクアルハイは大丈夫と最初にお墨付きをしたウリエンジェにしては少々雑です。
とはいえ、改編しようがないのでまとめ記事中ではそのまま書いています。
そもそも闘神とは
劇中、ウヌクアルハイの口から「闘神」について説明がされます。曰く、古代アラグ帝国における蛮神の呼び名……なのですが、その説明の直後、舌の根も乾かぬうちに彼は「現代にも闘神と呼ばれる存在(オーディン)はいる」といい、定義が至極曖昧であることを告げる(※ 追記あり)のです。
おそらくはどちらも正解で、
- 古代アラグ帝国における蛮神の呼び名(=蛮神)
- 現代におけるオーディンのように、テンパードもおらず顕現している理由が不明な存在(≠蛮神)
これら2つともが偶然にも同じ「闘神」という名で呼ばれているのだと考えるのが自然でしょう。が、この点についても特に説明はないため推測にすぎません。
まとめ記事中ではややこしくなるので、前者……つまり闘神とは、古代アラグ帝国における蛮神のこととして扱っています。が、ウヌクアルハイの発言を引用した一か所だけ、後者の説明について触れている部分を残しています。
※ 追記
オーディンについては、アラグ帝国時代の蛮神であることが明らかでした。オーディン戦のクエストシナリオ全くもって見逃していました……。
ウヌクアルハイ:
「闘神」……。
それは、古代アラグ帝国における「蛮神」の呼び名……。
ウヌクアルハイ : 彼らは、僕たちの知る蛮神とは、異なる典則で存在しています。
誰の願いで召喚され、誰の想いで物質界に留まっているのか。
すべては、闇に包まれたまま……。
この地にも、黒衣森を彷徨う古の蛮神「オーディン」をはじめ、
数多くの闘神がいたと云われています。
とすればこのウヌクアルハイのセリフは「この地にも古代アラグ帝国からずっといた蛮神、つまり闘神はたくさんいた」という意味なのでしょうか?
三闘神はなぜ目覚めたか
劇中のウリエンジェによれば「三闘神の核たる存在であったナイツ・オブ・ラウンドが討滅されたために」三闘神の封印に綻びが生じ、目覚めつつあるのだといいます。
しかし、そもそもナイツ・オブ・ラウンドはイシュガルドにおける英雄譚から生まれた蛮神です。5000年前の第三星暦時代の遺物であるアジス・ラーで、そのような蛮神が「核」であるわけがありません。
教皇トールダン7世が魔大陸に向かったのは、三闘神そのものが目的ではなく、生み出されるエーテルが目的であったといわれています(が、実はこの辺も曖昧)。したがって、ナイツ・オブ・ラウンドが「三闘神封印の核を為していた」というのは語弊のある言い方です。
考えられるのは、ナイツ・オブ・ラウンド召喚のために三闘神のエーテルを用いたために封印に綻びが生じたという仮説です。まとめ記事本文では、辻褄をあわせるためにこの仮説に基づいて作成しています。
しかし……この直後、ウヌクアルハイから主人公に「ナイツ・オブ・ラウンドを倒したから三闘神は復活した。だからといってあなたを責めるつもりはない……」という旨の話をされるのですよね。
やはりナイツ・オブ・ラウンドそのものが「核」である、という言い方をしているようにしか思えないのですが……。
ウヌクアルハイの超える力
ウヌクアルハイは登場直後、自分が「蛮神の思考を読み取る」という力を持っていると説明します。ヒントトークでしか出てこない話で、「超える力」と明言はしていないのですが……その異能が超える力でない、と思うプレイヤーは居ないのではないでしょうか。
その後、魔神セフィロト戦の前に彼は自分がテンパードになる可能性はないという説明をします。が、プレイヤーはこの時点で彼が超える力を持っていることは認識しており、あまりサプライズになっていません。
加えて、これはどちらかといえばプロットの問題かもしれませんが、彼がその「蛮神の思考を読み取る」超える力を活かす機会は全くありません。
まとめ記事中では、ヒントトーク引用部分にそのまま掲載しています。
ですがが折りたたみなので、そのまま読めばウヌクアルハイの話に違和感がないようになっているはずです。
三闘神の目覚めを止めねばならない理由が曖昧
巨大な力が目覚めてしまうのは問題です。蛮神がエオルゼアにとって危機であることも理解できます。
一方で、三闘神が顕現するとそれだけで霊災と同等の災害が発生してしまうかもしれないから止める、というのは少々強引に感じます。
というのも、エオルゼアでは良きにつけ悪しきにつけ常に蛮神が召喚されているのです。イフリート、タイタン、ガルーダは言うに及ばず、その他蛮神も(アシエンの努力もあって)割と頻繁に召喚されている様子が伺えます。
盛んに蛮神が召喚されている中、三闘神がいかに強大な蛮神であったとしても、言ってしまえばたった1度の蛮神召喚だけで「霊災級」の問題が生じるというのは少し言い過ぎではないでしょうか。
もっとも、劇中では「封印し続けることで蛮神の力は濃縮され、強大な蛮神の力となる」ことが説明されます。長く封印され続けてきた蛮神ですのでそれならば納得なのですが、序盤にこのあたりの説明は特にありませんのでなおさら奇妙に感じてしまいがちです。
加えて、ウヌクアルハイは次のようなセリフを言うシーンがあります。
ウヌクアルハイ:
彼ら(三闘神)が目覚め、相争うことは、「霊災」の再来とほぼ同義……。
なるほど、もし目覚めて三闘神が争い始めてしまえばそれは大きな災害に繋がりかねないでしょう。ちなみに、三闘神が互いに争って世界が滅びるという図式はFF6のオマージュです。
しかし……劇中では女神のテンパードが鬼神を起こそうとするなど、相争うどころか協力しあっている節すらあります。ウヌクアルハイのセリフはファンサービスなのか……それにしても辻褄があわず、違和感を覚えざるを得ません。
まとめ記事中では、「アラグ帝国ですら手を焼いた蛮神の復活」が問題であるという展開にしています。
無から有を生み出す変換式の謎
「星の命運を懸けて」では、魔科学研究所の最深部に「無から有を生み出す変換式」とやらがあり、それを求めて帝国軍が研究所に攻め入ります。
しかし、そもそも帝国軍の求めていたのは蛮神を制御する術。「無から有を生み出す変換式」は登場が唐突です。
ウヌクアルハイによれば、変換式は蛮神を制御する術に重要な役割を果たすようなのですが……それがどういったものなのかは判然としません。なにより「変換式」なのに端末のような形をであったりと、少々混乱します。
ちなみに劇中、変換式のことを知っているのは帝国軍とウヌクアルハイのみでした。結果としてそれはウヌクアルハイが帝国軍を引き入れた張本人であるという証拠になります。
要するに「犯人しか知り得ない秘密」として、「変換式」という言葉が用意されたにすぎないのです。
劇中では、「変換式」という秘密の暴露を証拠とせず、素直に認めたことに変更しました。
鬼神ズルワーンの拘束具を破壊した結果
物語終盤、鬼神ズルワーン戦ではレグラ・ヴァン・ヒュドルスと共闘し、これに対抗。4つのアラグの装置から送られるエネルギーを止めることで、鬼神の完全覚醒を止めようとします。
しかし、そもそもこの「4つのアラグの装置」が何なのか少々曖昧です。
確かに最初は、これらの装置から送られているエネルギーを止めるために破壊が必要と言っていました。しかしレグラが命を落とした後、ヤ・シュトラはこの装置のことを「拘束具」と呼ぶのです。
三闘神の拘束具は、その動きを拘束するとともに修復装置としての役割も果たしています。
それ故、拘束具を解かなければ蛮神討滅は出来ないのですが……ズルワーン戦では、レグラが装置を破壊した後、ズルワーンは完全覚醒せず、半覚醒状態に戻ります。つまり、拘束具が作動していると考えるのが自然です。
しかしそれではこのセリフと辻褄があいません。
皆で壊した装置は、エネルギー供給装置なのか? それとも拘束具なのか? そもそも拘束具とエネルギー供給装置は別物なのか? 修復装置は拘束具と同じものなのか?
いろいろ疑問が多い部分です。
まとめ記事中では、本装置を「エネルギー供給装置」であるとみなします。であれば「エネルギーの供給が止まったから半覚醒状態へ戻った」と辻褄合わせが可能だからです。
そのため、上記ヤ・シュトラのセリフはなかったことにしています。
そもそも「拘束具を破壊したから半覚醒状態に戻った」というのは矛盾したセリフなのです。
まとめ
三闘神クエストは、新生ではメインクエストと深く絡んでいた蛮神コンテンツが初めてメインクエストから切り離された形で用意されたものです。結果、メインクエストは「蛮神を出す」ルールから解き放たれて自由度が増し、ストーリーの深みが増しました。
一方、三闘神クエストの出来は贔屓目にみても良いとは言えず。こうして私になんぞイヤラシイ記事を用意されてしまうことに……。
上記の他にも細かな疑問点は多くあります。
きっと作り慣れておらず、時間もなかったんだろうなあ……と思う一方で、テーマとしてはFF14の核心に迫りかねないものであり、勿体ないなとも思うわけです。
なにより、まとめ記事を作るにあたっては矛盾が多すぎて少々辛かった。
MMORPGは、走りながら考える側面が大きく、無理にでも辻褄をあわせなければならない場面があることも理解しています。
とはいえ、三闘神クエストの辻褄のあわなさはちょっとあれかなあと思う次第でありました。
FF14が好きだからこそ、この文章を残しておきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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