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エオスト -Story of Eorzea- では、Final Fantasy XIV(FF14)のクエストストーリーをまとめています。あらすじ記事は以下のリンクよりどうぞ。
範囲攻撃、敵から見るか自分から見るか
はじめに
エデン共鳴編(5.2零式コンテンツ)は、かつてないほどランダム分岐が多いコンテンツでした。例えば4層では、タイムライン上2種類の攻撃がランダムで分岐する部分があります。
- フロストスラッシュ 前方範囲攻撃
- フロストスラスト 後方範囲攻撃
図でいえばこんな感じです。
攻撃予兆は出ず、名前で判断するしかないのにその名前も似ており、相当混乱します。
トライアンドエラーを重ねることで容易に避けることが出来るようになるものの、特に攻略序盤の頃はどちらがどちらか分からなくなることが多く、PT半壊そのままワイプも多々ありました。
そんな零式攻略中、フロストスラッシュを避けられなかったパーティーメンバーに対してアドバイスがなされました。
「スラッシュは“後方”です!」
あれ、でもフロストスラッシュは“前方”範囲攻撃なのだし、そのアドバイスだとまた当たっちゃうんじゃないかな……と私は思ったのですが、特に何も発言せずそのまま再開。
しかし私の心配をよそに、リスタート後その方はしっかり避けられていたのです。
隠された意味
そもそも「スラッシュは“後方”です!」というアドバイスの中には「スラッシュは“後方(が安全地帯)”です!」という意味が隠れています。今回の例はアドバイスをする側、受けた側いずれもその隠された意味を齟齬なく認識していたため、問題は発生しませんでした。
一方で私は「スラッシュは“後方(への攻撃)”です!」というアドバイスだと認識しました。私は攻撃を理解していましたので問題にはなりませんでしたが、仮に私がアドバイスを受ける側だったとすればその攻撃をよけることが出来ず、ワイプとなったでしょう。
つまり、アドバイスをした人と私の間では認識――敵を基準にするか、自分を基準にするか、視点に差があったのです。
アドバイスをした人は、敵の後ろに“自分が”行けばよい、敵の後方が安全地帯なのだから「スラッシュは“後方”」と言いました。対して私は、”敵から見て“攻撃が前方だから「スラッシュは“前方”」と認識していました。
結局のところ些事のように思いますが、とはいえ実は大きな違いだったりします。アドバイスに対する認識の違い、齟齬の発生はコミュニケーション不全につながり、ひいてはギスギスPT、固定崩壊、Himechanの逃亡、ロット負け、自暴自棄になり監獄送り、などということになりかねません。
というわけで私は、エオルゼアにはびこるありとあらゆる不幸の元凶を断つため……などということは全くなく、ただの興味本位で調査をしてみることにしました。
仮説
前提条件
今回の例では2つのパターンを以下のように定義します。
- 敵を基準に、敵からみて攻撃がどちらにくるか考える。「敵基準派」と呼称します。
- 自分を基準に、敵のどこが自分の安全地帯か考える。「自分基準派」と呼称します。
言葉に意味はなく、どちらが優れているという話でもないことにご留意ください。
「敵を基準に考える」メリットとデメリット
私のような敵基準派の考え方は
- 敵の攻撃範囲を意識して
- 回避場所を考える
という思考段階を踏みます。そのため思考コストが大きく、反射神経という意味では有用でありません。
一方で、ギミックの本質を理解する必要があり、コンテンツ中もそこを常に考えていますので、何か問題が生じた際にリカバーし易い可能性があります。
「自分を基準に考える」メリットとデメリット
対して自分基準派の考え方は、
- 回避場所を考える
だけです。思考コストが小さいため、素早く最適解で敵の攻撃を回避することが出来ます。
対して、ギミック自体の理解は不要であるため、何故そうなるかを飛ばして考えていると、いざというときのリカバーが難しくなる面もあります。
TH陣は「自分基準」が多く、DPS陣は「敵基準」が多いのではないか?
加えて、FF14の各ロールでは比較的以下のような特徴があります。あくまで「比較的」です。
- TH(タンク、ヒーラー)はスキル回しが比較的容易なかわり、ギミック処理において大きい責任を有する
- DPSはスキル回しが難しく、ダメージを出すことそのものが困難なかわり、ギミック処理では責任が小さめ
というわけで、コンテンツ中にはロールごとにこんな割合で脳のリソースを使用しているのではないでしょうか。
印象論にすぎませんが。
であるならば、コンテンツ中ギミックのことを考えることが多いTHは、ギミックの理解・リカバーに一日の長がある敵基準派の人が多い可能性はないだろうか。DPS陣はその逆で、スキル回しを最適化するためにはギミック処理の意識を最小限である必要があるため、自分基準派が多い可能性はないだろうか。
というわけで私は仮説を思いつき、検証してみることにしたわけです。
仮説:TH陣は「自分基準」が多く、DPS陣は「敵基準」が多いのではないか?
検証
その方法
Twitterのアンケート機能を用い、以下のアンケートを行いました。
初見未予習のコンテンツで会話する余裕がない戦闘中、敵が攻撃をキャストし始めました。おろおろしていると、あなたはチャットで「後方です!」というアドバイスを受けました。
どういう認識をしますか? 自分のメインロールとあわせてお答えください!
- メインTH、敵が後方に攻撃してくると思う
- メインTH、敵の後方が安全地帯だと思う
- メインDPS、敵が後方に攻撃してくると思う
- メインDPS、敵の後方が安全地帯だと思う
わざと曖昧なアドバイス、そして反射神経を求められる環境において、自分がどう認識するか回答してもらうことが出来れば仮説検証できるのではいかと意図をした質問です。
さて結果は。
結果
というわけで結果がこちら。
長々と語ってきたものの、残念ながら「有意な結果は出ませんでした」というあれです。
理由はいくつか考えられます。
- 反射神経としてどちらと捉えるか、という質問の意図だったが、アンケートでは考える時間があり、反射神経を問えなかった。
- アンケートの設問が悪かった。
- アンケートに条件分岐の設定が出来ず、突っ込んだ質問ができなかった。
特に課題だなと思ったのが1番目で、即時にどう考えるかが知りたかったのですが……結構な数の方が質問の意図を推し量っていたいたんですよね。アドバイスの意図、選択肢を考える環境にあった。これでは本来知りたかったものを測ることは出来ません。
これは質問も悪かったし、ツイッターの機能ではなかなか限界があるものでした。
そもそもこのアドバイスが悪い! という方も結構いらっしゃって、仰る通りなのだけどそれこそ意図するところであり……なかなか難しいなと思った次第です。
また、仮にこの質問で有意な差が出たとして、それがその人の生まれもったものなのか、それともロールによって後天的に与えられたものなのかを判別することは出来ません。これは本来、回答に対する分岐を用意することで測れただろうとは思うのですが、ツイッターの機能では限界がありました。
そもそも有意な差が得られませんでしたしね。
ここまで書いてふと思ったのですが、海外勢と日本勢だと結果が変わったりするのでしょうか。どちらかとえいば海外勢の方が自分基準で考えているのではないかとも思ったのですが……まあ、日本でも多くは自分基準派ですので、これもあまり意味のある結果がでないかもしれませんね。
というわけで、特段得られた結論はなく、しかしどうやら多くの人は自分基準で安全地帯を認識している(かもしれない)くらいの結論でした。
まとめ
敵基準派の皆様へ。どうやら少数派のようです。
自分基準派の皆様、5人に1人の割合で、アドバイスの逆に避けるかもしれないよ。
結論:しっかりコミュニケーションをとりましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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