エオルゼアには、シーズナルイベントの存在等から「1年」があるとわかります。一方、ゲーム中で季節の移り変わりを感じる事はできません。
それは「ゲームでは気温を感じられない」「マップで季節を変えるのは多大な労力がかかる」というメタな理由もあるでしょうが、「そもそも世界観として四季がない」という可能性もあるでしょう。私はそう考えていました。
しかし、先日公開された暁月秘話第4話に以下のような記述がありました。
例年、短い夏が始まるころに、ガレマルドでは建国記念日を祝う盛大な式典が催されていた。(中略)あの新聞が出た夏の初め、学友が深く感じ入った様子で詩集を薦めてきたことがあったのだ。
暁月秘話4話 「死すると云うこと」
なんと、夏があるというではないですか。ということは、四季があるのでしょうか。私達の住むリアルゼアの現象を援用し、少し考えてみましょう。
なお、筆者は文系卒業者です。本業ではない故に、記述が正確ではない部分もあるかもしれません。間違いなどありましたらコメントやTwitterにてご指摘頂けますと幸いです!
エオスト -Story of Eorzea- では、Final Fantasy XIV(FF14)のクエストストーリーをまとめています。
四季とは
- リアルゼア 我々のいる世界のこと。
- エオルゼア 狭義には惑星アーテリスの一地方のことを指すが、ここでは広義にFF14の世界のこと。
- 地球 ご存知リアルゼアの地球。
- アーテリス FF14の舞台となる星のこと。
地球の四季
四季とは、1年に移りゆく季節のことを指します。ただ単に1年を4分割しただけではなく、春は暖かく、夏は暑く、秋は涼しく、冬は寒く、気温の変動に応じて分けられたものです。地球では赤道に近い場合を除き、基本的にどの地域でも大なり小なり四季が存在します。とりわけ日本は1年の気候変動が大きいので、四季の移り変わりが分かりやすいですね。
では、何故四季が存在するのでしょうか。
それには、地球の「公転」と「自転」の関係を考える必要があります。
公転と自転
地球は、1年かけて太陽の周りを回っており、「公転」といいます。それとは別に地球自身の回転を「自転」といいます。そして自転軸は公転面に対して23.4度傾いており、それこそが季節を生み出す原因です。
上図において地球が太陽の左側にある時、北半球は昼が長く、太陽も高く上がります。結果、太陽から受けるエネルギーは増え、気温が上がります。夏と呼ばれる季節です。反対に右側にある時、北半球は昼が短く、太陽は低く、寒くなり、冬になります。
このように、四季が生まれるのは「公転面に対して自転軸が傾いている」ためです。
アーテリスの自転軸
話をエオルゼアに移しましょう。
惑星アーテリスの自転軸は、暁月にて月のマップが追加されたことで、直接観測する事ができるようになりました。
この動画のように、アーテリスは公転面に対して自転軸が傾いていません。
とすると、「自転」と「公転」の関係性は次のようになります。
アーテリスが上図の左にあっても右にあっても、昼の長さや太陽の高さは変わりません。
もう一つ、アーテリスの側から考えてみます。アーテリスは、どの地点でもどの時期でも、必ず6時に太陽が上り、18時に太陽が沈みます。
どの地域でも昼と夜の長さが常に同じということは、公転面に対して自転軸が傾いていないことの証明になります。その場合、ある地点が太陽から受けるエネルギー量が通年変わりません。つまり、アーテリスには「天体現象による」四季が無いのです。
実のところ、アーテリスは太陽に対して公転していない可能性が非常に高いです。
地球で観測できる公転に伴う天体現象としては、「季節による星座の変化」があります。この詳しい説明は省きますが、アーテリスではどうも時期によって観測される星座が変化しない様子。
とすれば公転していないと考えられ、上の「自転軸が公転面に垂直の場合」の図が実態を反映していないことになりますが……まあ、「天体現象による」四季はないという結論は変わらないので、目を瞑ってください。
エオルゼアの気候
地域差の発生理由
リアルゼアとエオルゼアは、そもそも物理法則が全く違います。
リアルゼアは4つの力、すなわち「強い力」「弱い力」「電磁気力」「重力」で成り立っていますが、エオルゼアは「火」「風」「雷」「水」「氷」「土」のエーテルによって成り立っています。
アーテリスでは地脈をエーテルが流れており、それが何らかの作用によっていずれかの属性に偏り、地上に影響を与えます。それが地域の気候を決定しているようです。
例えばサゴリー砂漠。
エーテルが火属性に偏った結果、灼熱の気候となっています。
他方、モードゥナ。
ここはエーテルによって気候が決まった例として顕著です。
もたらされる大量の雷属性エーテルは、リアルゼアではあり得ない雷の大地を形成し、幻想的(で、危険)な風景を作り出しています。
このように、エオルゼアは地球と全く異なる物理法則で動いており、その気候は「ほぼ」エーテルに支配されています。
緯度と気候
地脈のエーテルの影響が大きいとはいえ、太陽がアーテリスに与える影響がゼロではないでしょう。
アーテリスでは、赤道に近いほど年中太陽は高く昇り、極地に行くほど年中太陽は低いままとなります。太陽から受けるエネルギーは、四季こそ産まないものの、地域の寒暖差を生みます。そこに地脈から供給されるエーテルが加わることで、気候を決定していると考えられます。
例えばガレマルド。
ここは年中雪で覆われた寒冷地です。
地図で見るとかなり北部にあり、太陽が年中高く登らないことから、太陽から受けるエネルギーがもともと少ない。加えて火属性のエーテルも少なく、結果として寒冷な土地となっています。
もし火属性エーテルが多ければ、北国とはいえ温暖な気候だったことでしょう。
イシュガルド。
かつて、ここは草原が広がる温暖な気候でした。しかし第七星災によってエーテルが氷に偏ってしまい、雪に覆われた寒冷地へと変わってしまいました。
イシュガルドはシャーレアンよりも遥かに南に位置していますので、緯度だけを考えればもっと暖かくても良いはずです。事実、近隣の低地ドラヴァニアはイシュガルドよりも遥かに温暖です。
アーテリスでは太陽よりも、エーテルの影響が大きいのでしょう。
エーテルによる四季
このように、エオルゼアでは天体現象による四季が存在せず、気候は太陽よりもエーテルの影響を大きく受けます。
寒い土地に氷のエーテルが生まれるのではなく、氷のエーテルがあるから寒くなるのです。
では、暁月秘話で語られた「短い夏」がなぜ生まれるのでしょうか……と考えたいところですが、私達に与えられた情報はほぼなく、推測することすらできません。
ですので、以下は仮説にも満たないただの妄想です。
アーテリスに流れるエーテル、つまり地脈は定期的に脈動しており、それによってエーテルに強弱が生まれるのではないでしょうか。
地脈は、アーテリスを流れる血液です。血液が心臓によって流れるように、エーテルもなんらかの力によって流れているのだとするならば……そこに脈動があり、故に地上のエーテルにも定期的なムラが生じる。脈動は1年周期で起こり、それがエオルゼアにおける「四季」を産んでいるのです。
なんの根拠もありませんけれど……でももしそうならば、毎年シーズナルイベントの時だけ雪が降る温暖なウルダハという違和感も、「エーテル、そしてその脈動のせい」なのだと納得できる気がしませんか。
終わりに
季節があるからこそ、地球の1年は決められています。公転によって季節は生まれ、季節があるからこそ1年が定められるのです。
天体現象が季節変動に影響を及ぼさないエオルゼア。リアルゼアの感覚ではアーテリスに季節はないはずですが、季節がなければ1年という概念も生まれません。しかし「第七星災から幾年」というセリフや、シーズナルイベントがある以上、エオルゼアにも1年はあり、つまり季節もあるのでしょう。
季節を産んでいる原因を、私は「地脈の周期」に求めました。残念ながら何の根拠見出せませんが。これを実証しようと思ったら、実際にフィールドワークでもしながら大地のエーテルを観察しなければなりません。しかしリアルゼアの人間である私に、残念ながらその術はありません。
将来、どこぞの賢人が調べてくれることを願って、本稿を終わろうと思います。