2020/07/29 クロニクルクエスト-アレキサンダー【06.天動編 聖なる審判】を更新しました。

【FF14 雑記】クロニクルクエスト:アレキサンダーのタイムラインと元ネタまとめ

クエストのストーリーをまとめる際、特にクロニクルクエストの場合には、名前の元ネタや来歴を理解するとシナリオの理解が深まることがあります。アレキサンダーも同様でした。加えてさすがSFものというべきか、他よりも多くの元ネタがあることに気が付きました。

クエストストーリーまとめの中で書くことも検討したのですが、別記事にしたほうが分かりやすく面白いだろうということで本記事を作成しました。結果分かりやすくなったかは少々疑問ではあります。多分に自己満足が含まれますね。

元ネタを集めただけでは寂しいため、ついでに時間SFだと混乱してしまいがちなタイムラインもまとめてみました。少々長めの記事ですが、アレキサンダープレイ後、じっくりお楽しみいただければ幸いです。

STORY | 2.クロニクル-アレキサンダー【01.起動編 破滅への胎動】STORY | 2.クロニクル-アレキサンダー【02.起動編 彼女のたからもの】STORY | 2.クロニクル-アレキサンダー【03.律動編 疑惑と後悔】STORY | 2.クロニクル-アレキサンダー【04.律動編 彼女がいない世界】STORY | 2.クロニクル-アレキサンダー【05.天動編 記憶の回廊を超えて】STORY | 2.クロニクル-アレキサンダー【06.天動編 聖なる審判】

タイムライン

時間系SFにはよくあることですが、ゲーム中では実際の時間軸に沿って語られません。過去と未来を行き来するため、場合によっては少々わかりにくくなってしまうことがあります。そのため、実際の時間軸に沿ったあらすじと、主要な登場人物の行動、考えをまとめました。

なお、本項は「クロニクルクエスト:アレキサンダー」のシナリオをプレイ済みであり、ある程度理解していることを前提に書いています。

過去

数百年前

クロニクルクエスト:アレキサンダー天動編のクライマックス、アレキサンダーは角笛と融合したコアの制御を失い、無尽蔵に周囲のエーテルを吸収し続ける暴走状態に陥ります。それを止めるため、ミーデとダヤンは魔法障壁の内側の時間を停止。ふたりはアレキサンダーとともに無限とも言える時間の中に取り残されてしまいます。

その後……暴走の危険性が去ったのでしょうか。アレキサンダーは二人を過去の世界へと送還。ミーデとダヤンは、シャノアを介してラウンドロクスから受け取ったエニグマ・コーデックスの断章を持ち、ホトゴ族の始祖となりました。

約100年前

ミーデとダヤンの子孫、ダヤン族のシャーレアンの研究者が「エニグマ・コーデックス」を記します。始祖……ミーデとダヤンが持っていた断章、そして一族に伝わる機械の巨人の伝承を元にそれを書きあげたといわれています。

十数年前

まだ幼いミーデが、人の姿をもって接触してきたトラヴァンシェーと名乗るアシエンから接触を受け、角笛を受け取り、蛮神召喚方法を教わります。

彼女は「ダヤンと一緒にいたい」と願ってこれを受け取ったようです。なお、一族の(おそらく)有望株であったダヤンは、この時期先祖の書いたエニグマ・コーデックスを手にするも、読むことはできませんでした。

3年前

エニグマ・コーデックスを読めたミーデは、ダヤンや他の一族の仲間たちと共に第七霊災で大きく傷ついた世界を元に戻すことを目的として蛮神召喚を行います。

召喚式が発動し、アレキサンダーが現れます。
しかし、それは召喚されたものではなく、3年後の未来(本編中、天動編2層クリア後)から時の翼で飛んできたものでした。つまり、ダヤン達はアレキサンダーの召喚に失敗したのですが、その事実には気が付いていませんでした。

バックリクスのデータレコードを持っているクイックシンクスは、その内容通りにミーデ達の仲間を殺害。ダヤンは、アレキサンダーに吸収されてしまいます。

また、主人公達とともに行動していたシャノア(新たに生み出されたもの)がバックリクスの記録本を落とし、その後、アレキサンダーは未来に帰ります。

あとに残されたのは、砕け散ったエニグマ・コーデックス(断章)と魔法障壁のみ。断章の一部はラウンドロクスが拾い、未来から来たシャノアとデータレコードは、クイックシンクスが拾いました。

3年前のミーデ

アレキサンダー召喚は失敗し他事実を知らないミーデは、“自分たちが召喚した”アレキサンダーが暴走したと思い、魔法障壁を発動させるのですが、その負荷によってエニグマ・コーデックスは砕け散ってしまいます。
ミーデは、大切な人ダヤンを吸収されてしまい、心に深い傷を負ってしまいます。

3年前のエニグマ・コーデックス

完全な状態で召喚に使われるも、失敗。ミーデはアレキサンダーの暴走を止める目的で、エニグマ・コーデックスを介して魔法障壁を発動させます。しかし過負荷によってエニグマ・コーデックスは四散してしまいました。その破片のひとつをラウンドロクスが拾い、宝物とします。

未来から来たアレキサンダー

ラウンドロクスの制御によって時の翼を発動し、未来からきたアレキサンダーでしたが、制御を奪われ、暴走してしまいます(クイックシンクスが制御していいた可能性もあり)。ダヤンを吸収し、すぐに未来に帰ってしまいます。

未来から来たシャノア

ビックス、ウェッジ、バックリクスと共にアレキサンダーのデッキにいたシャノア(シュレディンガー)は突如暴れだし、一緒にいた記録屋バックリクスに体当たり。彼のデータレコードを奪い、アレキサンダーから落ちてしまいます。そのまま3年前の世界に残ったシャノアとデータレコードはクイックシンクスに拾われ、起動編へと繋がっていきます。

数年前

アレキサンダーに吸収されてしまったダヤンの魂が、かの蛮神の中でまだ生きていると信じるミーデは、ふたたびアレキサンダーを召喚するためにクイックシンクスと接触。角笛とエニグマ・コーデックスを渡します。

すでに未来の書ともいえるバックリクスの記録本を手に入れていたクイックシンクスは、いよいよ選民思想が暴走。自分は選ばれたのだと思い、率いる青の手とともにアレキサンダー召喚の準備にかかるのです。

起動編前:それぞれの思惑

ミーデ

大切な人ダヤンと一緒にいたいと考え、彼とともに行動していたミーデでしたが……彼はアレキサンダーに吸収されてしまいました。しかし、彼女はダヤンがまだアレキサンダーの中で生きていると考えています。再び彼に会うため、アレキサンダーの召喚方法と触媒としての角笛をクイックシンクスに与えます。その後、主人公たちと接触。ゆくゆくは全員を裏切り、アレキサンダー……ダヤンと共に過ごしたいと考えています。

アレキサンダー

起動編前のアレキサンダーは、青の手によって召喚された直後です。したがってその中にダヤンの魂もありません。一方で、搭載されている演算装置にてありとあらゆる未来の可能性を考慮した結果、歴史に干渉すべきではなく、自身があってはいけない存在であると結論づけています。

とはいえ、アレキサンダー召喚直後の世界は非常に不安定であり、青の手に好きにさせれば幾度となく歴史改変され……エーテルが枯渇してしまう可能性が否定できません。そのためシャノアを使いとして未来を導き、惨禍を防がねばならないと考えています。

クイックシンクス

もともと技術の独占を目論む組織だった青の手の総帥クイックシンクスは、3年前、アレキサンダーに乗って未来からやってきたシャノアと、バックリクスが落としたデータレコードを拾います。そこに書かれているのが“未来”のことだと気がついた彼は、自分が選ばれたのだと錯覚。そのカリスマ性をもって組織をより先鋭的にまとめ上げます。

そんな中、ミーデから接触を受けアレキサンダーのことを知り、召喚。ゆくゆくはアレキサンダーの力を解放して「時の翼」を手に入れ、あらゆる時間の歴史に干渉し、歴史を矯正することを目標としています。

起動編

イディルシャイアの近郊、サリャク河において、青の手により機械の巨人の如き蛮神「アレキサンダー」が召喚されます。主人公たちは蛮神に対処するため、突入を決定します。

ミーデ

主人公達に接触し、本心を隠したまま行動を共にしていたのですが、ラウンドロクスと「機械好き」で意気投合。好きな人と出会うためにエニグマ・コーデックスの断章を探しているのだ……と、少しだけ本心を語ります。

エニグマ・コーデックス

ラウンドロクスの持つ断章は、始めは「ただの輝く石」としてしか認識されていませんでした。暗号解読機の鍵として使われた後、しばらくそのまま放置されていたのですが、青の手は輝石がエニグマ・コーデックスと気づいており、強奪しようとします。しかし、暗号解読機の中に入っていたことで難を逃れるのでした。

クイックシンクス

主人公の前に姿を見せ、対抗するも負け続けます。そんな中、野営地を襲撃しエニグマ・コーデックスの断章を奪おうとするのですが、失敗してしまいます。とはいえ、これらはすべてデータレコードに書かれていたこと。むしろそのとおりに行動するため、負けることすら是としていました。

アレキサンダー・シャノア

クイックシンクスと同行しているシャノアは、3年前に未来から来たものです。この時点のアレキサンダーにはダヤンが吸収されておらず、新たなシャノアも生まれていません。

律動編

大切な人に会うため、青の手にアレキサンダーを召喚させたミーデ。しかし彼女はその理想を捨て、新たな友ラウンドロクスの救出を決心します。

ミーデ

仲良くなったラウンドロクスからエニグマ・コーデックスの断章を受け取り、クイックシンクスたちに断章の偽物を渡して時間稼ぎをしました。ダヤンと再会するためにアレキサンダーを召喚させた彼女は、新たな友人ラウンドロクスを得て心変わり。彼女が一族とともにアレキサンダー召喚をしたこと、クイックシンクスとともに行動していたことを明かし、今後はラウンドロクス救出のために尽力することを誓います。

攫われてしまったラウンドロクス救出のためにアレキサンダーへ突入するのですが、バックリクスの記録を読んでいたクイックシンクスに本物の断章を奪われてしまいました。

クイックシンクス

偽物の断章をミーデから受け取り、主人公達には攻め入られ、左腕部のコアを止められてしまいますが……すべてはバックリクスの記録通り。彼はその「定められし未来」のために行動しており、敗北すらも気に留めません。想定通り最後の断章を奪い、アレキサンダーの力で一部時を巻き戻し、止められたコアを復元します。

すでに、制御装置としてラウンドロクスも手に入れています。
残る第3のコアを稼働させれば、時の翼を使うことが出来る状態になります。彼の目論見はもうすぐ叶うのです。

天動編

時間に干渉することが出来るアレキサンダー。クイックシンクスはその力で歴史を管理することが目的でした。野望を阻止するため……そしてラウンドロクスを救出するため、アレキサンダーの中枢部へと突入。彼女の救出に成功します。

ミーデ

救出されたラウンドロクスは、友人ミーデの願いを叶え、すべてを「なかったこと」にしようと……アレキサンダーを制御し、時の翼を発動。3年前の世界へと向かいます。しかし、ミーデはそこで、悲劇がすべて仕組まれたものだったことを知り、絶望。青の手うごめくアレキサンダーの中に一人残ります。
そんな自暴自棄な彼女を匿っていたのは、アレキサンダーの中のダヤンでした。
その後クイックシンクスの野望の阻止に成功するも、アレキサンダーは暴走。それを止めるため、ダヤンはミーデをアレキサンダーの演算空間へと呼び寄せます。ふたりは力をあわせ、アレキサンダーを閉じた時空の中へと閉じ込めることに成功。世界の危機を救いました。しかし、一方でそれは二人が永遠とも言える時空に閉じ込められることをも意味していました。

それでも、ミーデは恐怖を感じていませんでした。
彼女の望みは、ダヤンとずっと一緒にいることだったのだから。

シャノア

天動編開始時点で、新たなシャノアが生まれます。クイックシンクスの連れているものとは別個体と認識され、シュレディンガーと名付けられました。主人公たちとともに行動していたシュレディンガーは、バックリクスのデータレコードとともに3年前の世界に残ります。そこでクイックシンクスに拾われ、彼が未来のことを知るきっかけを作り出します。
一方、3年前からクイックシンクスと共に行動しているシャノアは、データレコードをバックリクスの手へと返します。ここで主人公たちは、クイックシンクスがデータレコードを参照していたという事実を知るのです。

シャノアはアレキサンダーが青の手が好き勝手に行動する未来を防ぐべく、定められし未来へと進ませるために遣わした存在。最後には、閉じた時空の中のミーデ、ホトゴのもとへ、ラウンドロクスから受け取ったエニグマ・コーデックスのかけらを届けるのでした。

アレキサンダー

召喚直後からあらゆる演算をし、時の翼の力の強大さ、そして危険さに自ら気がついていた蛮神アレキサンダーは、シャノアを派遣して青の手が暴走しない「定められし未来」へと誘導し続けていました。そんな中、3年前の世界でダヤンを吸収。彼の魂もまた、その決定に賛同します。
アレキサンダーは、クイックシンクスの最期の命令を拒否。彼を倒します。しかしその反動でエニグマ・コーデックスは破壊され、角笛と融合したコアが暴走を始めてしまいました。

ダヤンとミーデによって閉じた時空の中で時間停止させ、危機から脱したアレキサンダー。はるか遠い未来、暴走の危機が去った時――ふたりの魂を開放するつもりでいます……。

クイックシンクス

エニグマ・コーデックスに書いてあるとおりにすることで、時空の支配者となり、時の翼を手に入れたいと考えていたクイックシンクス。3年前の世界の記録を実行しますが、そこから先データレコードは白紙です。
彼は主人公たちを倒し、自身の力でアレキサンダーを制御しようとするのですが……最終的にアレキサンダー自身に拒否され、命を落としてしまいました。

補足

アレキサンダーの召喚方法

シャーレアンの廃墟を礎に、角笛を触媒とし、エニグマ・コーデックスを基礎として召喚されました。大元はミーデ達ダヤン族の始祖の伝説だったアレキサンダーですが、実際に召喚したのは青の手です。
エニグマ・コーデックスは他の蛮神における、いわゆる神話に該当します。

魔法障壁

中と外との干渉を防ぐ障壁です。3年前にミーデがエニグマ・コーデックスをもとに構築しました。尚、エニグマ・コーデックスは魔法障壁を構築する際、過負荷によって砕け散っています。

ミーデは魔法障壁によってアレキサンダーを封じるつもりだったのですが、直後アレキサンダーは未来に帰ったため、魔法障壁の中は3年間からっぽでした。とはいえ効果が無いわけではなく、蛮神の行動を封じることは可能です。一方で、アレキサンダーが外の攻撃から身を守る効果もあるり、一長一短といえます。

シャノア

猫ではなく、クァールの幼獣でもなく、アレキサンダーの使いです。神出鬼没で誰の味方か分からない行動をとりますが、すべては「世界を定められた方向に持っていく」ための行動です。

ダヤンの感情も入っているかのような行動を取るのですが、これはミスリード。実際のところシャノアが生まれるのは、アレキサンダーにダヤンが吸収されるより少し前なので、アレキサンダーが使命を完遂するために生み出したAIのようなものだと考えられます。

角笛

周囲の環境エーテルを引き出す力を有しています。蛮神との繋がりがささやかれるも、その原理、来歴含め詳細は一切不明です。第六星暦時代には、複数の角笛を巡ってエオルゼア各国で小競り合いが起こっていたようです。なお、現時点で少なくとも二つ――ルイゾワ・ルヴェユールの名杖トゥプシマティに使われていたものと、蛮神アレキサンダーの核と融合したものの実存が確認されています。

その他、詳細についてEncyclopaedia Eorzea Vol.01 78ページに記載されています。

残された謎

最後のデータレコードでも触れられているのですが、アレキサンダーは一体誰の頭の中から生まれた蛮神なのでしょうか。

クイックシンクス達は、エニグマ・コーデックスをもとにアレキサンダーを召喚しました。その元となったエニグマ・コーデックスを書いたホトゴ族は、一族に伝わる「機械の巨人」の伝説をもとにエニグマ・コーデックスを書きました。伝説に残る機械の巨人は……暴走の危険を抑えたことによって解放されたミーデとダヤンが、アレキサンダーと共に過去の世界に戻った時のものです。つまり、アレキサンダーは、アレキサンダーを元にして形づくられたわけで……“始まり”がないのです。

同様に、ホトゴ族にも始まりがありません。過去に戻ったミーデとダヤンが一族の祖であるならば、ふたりは自分達の子孫から生まれたことになります。

これらの「残された謎」は、多世界解釈をしないタイムマシンSFでは必ず起こります。なぜなら、因果律――”原因があるから結果がある”という極当然のルールを意図的に無視しているからです。

タイムマシンSFは、絶対に矛盾が生じます。どの矛盾を無視するかはそのシナリオによって異なるのですが、多世界解釈をしない場合は因果律を無視します。未来からの影響を必ず受けるという構成上、因果律を無視して「未来に原因がある」としなければ、SFとして話が成り立たないからです。

というわけで、その根幹たる部分を謎としてツッコミをいれるのは少々野暮であり、これはこういうものだと無理矢理にでも飲み込むのが本当は正解なのです。

元ネタ集

アレキサンダー

そもそもアレキサンダーというのは古代ギリシャ、マケドニア王国の王の名です。勇猛果敢で、その治世のほとんどが東方遠征に費やされ、現在のインド付近まで領地を拡大したのだとか。

一方、FFシリーズに初めて登場したのはFF6。この時からFF14と類似した、動く城、機械の巨人のような見た目をしていました。名前の元ネタと見た目はあまり関係がないようです。

マップ名「ゴルディオス」と「ミダース」

アレキサンダーの右腕部はゴルディオス、左腕部にはミダースという名前が使われていますが、これも古代ギリシャの神話が元ネタです。

世継ぎの王がいなくなってしまった国で、預言者が「次に牛車にのって来たものが王になる」と予言。やってきたのがゴルディアースでした。彼は神に感謝し、その乗ってきた牛車の手綱をしっかりと柱に結び付け、「この結び目を解くことができたものこそ、このアジアの王になるであろう」と宣言します。誰もほどけなかったこの結び目を「切って」解決したのがアレキサンダー大王。それ故、蛮神アレキサンダーの地名にゴルディオスの名が使われているのでしょう。

この話は「ゴルディアスの結び目(Knot)」と言われています。ちなみにコアのある場所はKnot。まさに上記逸話から引用されたものだと思われます。

なお、ゴルディアースの子はミダース。左腕部の名称です。英訳だと右腕部はFather(父親)、左腕部にはSon(息子)の名称があてられています。

ミダースには、触れたものすべてを黄金にするという力を得た結果、最愛の者を黄金に変えてしまったという神話があります。これは同様の話がエオルゼアでも語られています。

階差機関

階差機関(かいさきかん、difference engine)は、歴史上の機械式用途固定計算機で、多項式の数表を作成するよう設計された。(wikipediaより

だそうです。なんのこっちゃですね。私もよくわかりません。
要するに計算機なので、大括りしてしまえばコンピューターの前前前世みたいなものなのだとか。

現実には実用化されなかったのですが、見た目と来歴、そして動きがキャッチーなことから、1990年にウィリアム・ギブソンとブルース・スターリングによって書かれた『ディファレンス・エンジン』というスチームパンクの歴史改編SFに引用されたことでよく知られている(2020年7月31日、@Roraruro_ruckさんの指摘により修正)、以降スチームパンクの世界観ではこれが主力のコンピューターとして扱われることが多いです。

アレキサンダーは動力が蒸気機関です。スチームパンクからも引用されているのでしょう。その他、アレキサンダーの曲「ローカス」なんかもSF雑誌からの引用みたいですが……正直わたしはその分野に明るくないので、首突っ込むのはこのへんまでにしておきます。

Creator(創造主)

天動編のマップ名称には、 Creator という単語があてられています。当然日本語におけるクリエイターの意味も含まれますが、それよりも「創造主」などの意味の方がこの場合適切かもしれません。時に干渉できるアレキサンダーの力は、まさしく神そのものといえるでしょう。

加えて、FFシリーズにおけるアレキサンダーの履行技は「聖なる審判」です。どちらかとえいば、この“審判”がキリスト教等における終末の“審判”から引用されており……つまりはそういうことなのではないでしょうか。

エニグマ・コーデックス

コーデックス(Codex)とは、「(聖書などの)写本」を意味します。3層天動編(Creator、創造主)のことを考えると、おそらく間違いないでしょう。

エニグマ(Enigma)の語源はラテン語のaenigma。「謎」を示す単語です。
ちなみにEnigmaといえば第二次世界大戦中のドイツ軍が使用していた暗号機の名前です。

エニグマ・コーデックスは直訳すると「謎の写本」となりますね。

以降余談。本項は全ページに渡って余談ですけども。

第二次世界大戦当時にドイツが使っていた暗号機「エニグマ」。ごく単純に言えば、スクランブラーと呼ばれるローターが1文字打つ毎に回転し、原文を暗号化するものでした。スクランブラーがなければエニグマ本体を手に入れても暗号通信を解読することが出来ず、スクランブラーこそが「鍵」となっていました(厳密には少し違います)。
ラウンドロクスが持っていたエニグマ・コーデックスの断章は、暗号解読機に「鍵」として用いられます。まさにエニグマは、エニグマを解読する鍵として用いられたわけです。

シュレディンガー

バックリクスは、シャノアとよく似たクァールの幼獣を「シュレディンガー」と名付けます。この元ネタは、有名な「シュレディンガーの猫」という物理学者シュレディンガーによる思考実験です。

これを理解するためには、量子力学の雑学が必要です。

量子は粒子の性質と波の性質どちらも有しています。粒子でもあり、波でもあるわけです。それらは人間が観測した時に初めてどちらかが確定するわけで、観測されるまでは粒子でもあり、波でもある存在なのです。意味わからないですね。わからないですが、量子という極々ミクロな世界ならばまあ、そういう不思議なこともあるかなという気はします。

ならば、仮に中の観測できない箱の中に猫と量子入れ、量子が波であると観測されたならば猫は死ぬとしましょう。量子が粒子でもあり、波でもある存在ならば……この猫は、箱の中身をみるまで生きており、また死んでいるとも言えるのではないか。そんなおかしな話があるか……というのがシュレディンガーの猫という思考実験です。

何言ってるのかわからないアウラチャン

翻って、この話は多世界解釈の根拠になったりします。この世界はひとつではなく、たくさんの似たような世界があり、ちょっとしたきっかけで枝分かれしていくという多世界解釈は、時間を扱うSFにおける矛盾を解消できるために採用されことが多い(因果律に矛盾が生じないから)のですが……少なくとも、アレキサンダーシナリオにおいては採用されていません。どうも漆黒のヴィランズはそういう解釈がされそうな気がするのですが、話が飛ぶのでここでは無視します。

世界が一つしかない、という世界観にでの時間遡行は、結局のところ過去に戻って「答え合わせをしているだけ」のものです。世界は確定していて、その結果を変えることは出来ません。登場人物が未来を変えようと思って行動したとしても、それら全てが確定している未来のために必要な行動なのです。

多世界解釈の根拠とされがちなシュレディンガー。アレキサンダーシナリオでは、世界を確定させるために行動するクアールの幼獣は……つまり、逆に多世界解釈を否定する存在の名に用いられています。ちょっとだけ皮肉に感じますね。

ラプラスの悪魔とカオス理論

今の世は、計算で多くのことがわかります。物の落下速度や今日の天気、果てはロケットの軌道まで。

それならば……例えば無限の時間と無限のコンピュータがあったとして、あらゆる原子の動きをすべて計算できたとすれば、未来のことすら計算でわかるのではないか。と主張したのが数学者ラプラスであり、その未来を理解している超越的存在のことをラプラスの悪魔と呼びます。

しかしながら、とある物質の位置と運動量を同時に正確に把握することは不可能であることが分かりました。したがって、ラプラスの悪魔が計算するために必要な情報を正確に、完璧に把握することは事実上不可能。加えて、世界はほんの少しのゆらぎが大きな揺り返しとなって現れることも明らかになり、計算で未来を知ることはできないことが証明されます。

説明が分からなくて寝ちゃったアウラチャン

翻って、アレキサンダーは時間を止めることで得た無尽蔵の時間をもとに、あらゆる可能性をその階差機関を用いて計算します。それはさもラプラスの悪魔のような行動でした。ところが、結局のところ完璧な計算は出来ず、未来を完璧に予測することは出来ませんでした。カオス理論に遮られたわけです。

未来は未定。誰にもわからないから、我々の手で掴んでゆくのだと……クロニクルクエスト:アレキサンダーは終わります。これらは、現代物理学の歩みをそのままなぞっているかのようでもありますね。

おわりに

クエストまとめだけでは少々分かり難いかなと思い、別途タイムラインに沿った概要を作成してみましたが……どうでしょう。逆に分かり難くなってしまった感も否めません。

最初は図で示せないかなと頑張ってみたんです。しかしながら、途中にも書いた「因果律」がどうしても邪魔をしてうまく書けませんでした。結局、矛盾はどうやっても発生するんですよね。それを併せのんで楽しむのがアレキサンダーシナリオだ! と途中から開き直って書いてみたらなんとか形になったような、なっていないような。

いずれにしても、アレキサンダーは面白いSFです。加えて、第一世界にも関係があったりなかったりします。今なら強くてニューゲームの対象にもなっていますし、久しぶりに“美人”アウラのミーデにあいに行くのも良いのではないでしょうか。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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