エオスト -Story of Eorzea- では、Final Fantasy XIV(FF14)のクエストストーリーをまとめています。あらすじ記事は以下のリンクよりどうぞ。
当サイトはFinal Fantasy XIV(以下FF14)のクエストストーリーのあらすじをまとめているサイトです。
FF14では、2019年4月16日~2019年5月27日までの期間でFinal Fantasy XV(以下FF15)とのコラボイベントが開催されます。
報酬の目玉はFF14で初となる4人乗りマウントです。
何気に、初めての“現金を使わなくても”手に入る複数人マウントでもあります。
ですが、この記事はコラボイベントがどうだとか書くものではありません。
いろいろ意見はあろうと思いますが、FF15がなぜ賛否両論……というか、どちらかといえば酷評を受けるゲームとなってしまったかについて私が思っていることを考察して書いていこうと思います。
発売から数年が経ち、もはや記憶もあいまいですが、FF15でDLCが想定していた分全て終了しないことが明らかとなり、そしてFF14とのコラボが始まった今だからこそ、自分の中にある気持ちを成仏させるためにも、この文章を書き綴ります。
当然ながら、全編にわたってFF15のネタバレを含みますのでご注意ください。
思い出
私の立ち位置について
タイトルからも読めると思いますが、FF15に対し、否定的な意見を書くことになります。故に、私自身の立ち位置を明確にするべきでしょう。
私は、FF15を「エンディング以外」最高に楽しんでプレイしていました。
具体的に言うと……
映画を見るために劇場に3度足を運びました。
ゲームソフトは初回限定版を購入しました。
発売日を心待ちにし、体験版をやりこみました。
発売後は文字通り寝食を忘れてプレイし続けました。
まさか自分がここまでFF15にはまることになろうとは、思ってもみませんでした。
最初は全く食指が動かなかった。それはPTメンバーがあの4人だったから。
巷ではホスト4人組だなんだといわれていた4人のPTメンバー。
最初に紹介画像を見た時「ああ、これはスクエニの悪い癖が出たな……」と思いました。
美形だけをそろえた構成。しかもメンバーは固定で、彼ら以外には一切出ないとか。メインヒロインらしき子も出てはいましたが、どうやらプレイアブルキャラではない様子ですし、なんというか、もやっとする気持ちは残りました。
端的に言えば、テンションが上がらなかった。
心の琴線に触れず、スルーを予定していたFF15。
しかし、私の考えをすっかり変えてしまう出来事がありました。
それが、エピソード1の途中までプレイ可能な体験版「ジャッジメントディスク」の配信でした。
発売直前の体験版配布で評価が180度変わった。
FF15は、荒野で車を押す4人の後ろ姿から始まります。
ガス欠に文句を言いながら、とても自然な関係を築いている彼等。BGMはロードムービーの大傑作でも使われた ”Stand By Me”。
見渡す限りの壮大な土地は大いなる旅路を予感させるに十分なものでした。
婚約者を迎えに行く王子の旅は、呑気なはずのものだったのに、帝国の裏切りによってそれは一変します。待ち受けるだろう過酷な運命に、私はハラハラしました。
これからどうなるのだろうか。国は無事なのか。ルナフレーナはどうなってしまうのか。
すぐに映画を見に行きました。その出来の良さはさらに期待を煽るもので、結局3回見に行きました。
それから発売日まで、本当に楽しかったです。
早くやりたい一心でインタビュー記事を読み漁り、公開されていた動画を何度も見ました。
ゲームの発売日がこれほど楽しみだったのなんていつぶりだったでしょう。
とにかく「旅」が楽しかった。あの4人組のことが大好きだった。
実際にゲームが発売されると、私は寝食を忘れて没頭しました。
寄り道が楽しく、新しい発見がないかとふらふらしているうちに深夜となってしまう日々を過ごしたことを思い出します。
レガリアは本当に頼りになる相棒で、オートで移動できますが私は多くの時間自分でハンドルを握りました。
広大さというメリットをもたらす代わり、移動が面倒だというデメリットを抱えるオープンワールドゲームに、広大さのメリットを最大限に生かしながら移動の面倒さを減らすことができる「シフト」という発明は、本当に偉大です。
あれは最高に楽しかった。
夜になれば、シガイという強力な敵が現れます。そのため闇夜の怖さは果てしなく、太陽が地平線に沈む前にキャンプ地に到着できるよう注意しながら計画をたてていました。
キャンプ地で作ってもらう料理は本当においしそうで、一日の思い出として見る写真も皆格好良く、本当に旅をしているような気持ちになっていきました。
私はいつの間にかFF15の世界、そしてあの4人組のことが大好きになっていたのです。
エンディングで全てひっくり返された
物語の終盤、主人公は長い眠りにつきます。
そして目覚めると世界は闇に閉ざされていました。
絶望の世界で彼らが向かった最後の戦い。
そこで待っていたのは、黒幕アーデン。
戦いの結末は、なんというかはっきりと描かれません。
しかし、全員が死んだとも受け取れる終わりでした。
いずれにしても、悲劇であることに間違いはありませんでした。
ずっと皆と旅をして。
つらいこともたくさんあって、それも全部のりこえて。
寄り道して、釣りばかりして怒られて。
そういう思い出は、全部水泡と化してしまったのです。
私はしばらく茫然とし、そのままPS4の電源を落としました。
問題点
DLCで長期的に遊ばせるのが目的であったなら、あのエンディングは正しかったのか
その後、ダウンロードコンテンツ(以下DLC)が発売されました。しかし私はそれらを一切プレイしていません。
実はシーズンパスを購入しており、家のPS4には全てダウンロードされています。
それでもプレイをしていません。
ネガティブな意志をもってプレイしていないのではありません。
プレイする気力が起きないのです。
理由ははっきりしています。
エンディングを変えることができないのであれば、プレイする意味がないから。
基本的にDLCは、旅の合間で仲間が抜けているときに何をしていたかが補完されるものです。
しかしながら。
どれだけ頑張っても、どれだけ理由を説明されようとも、どれだけ熱い戦いが繰り広げられようとも、彼等は最後に死ぬのです。
約束された悲劇の中、一体どれだけ多くの人が気持ちを保つことができたのでしょうか。
私にはできませんでした。
どれだけの絶望の物語であろうと、そこに一縷の望みがあるからこそ人は立ち上がるのです。
私は、最初に完璧な絶望をたたきつけられてしまい、そこから立ち上がるだけの気力が残されていませんでした。
果たして、FF15は発売時点で完成していたのだろうか
もっとも大きな疑問は、果たしてFF15は、発売時点で開発陣がやりたかったことが全て成立していたのだろうか、ということです。
正直に言って、伏線の回収忘れが非常に多い。
コル将軍は最初に出てきて以降全然出てこないの?
映画の彼等はゲームと全然関わらないの?
テネブラエには結局いけないの?
ファントムソードは全部集めなくてもいいの?
ぶっちゃけ主人公の目的途中でふらふら変わってない?
意味深な設定を与えられていた犬は全然活躍できず終わるの?
イグニスの失明は必要な演出だったの?
FF15は、とても特殊な開発経緯があったゲームです。
素材はそのまま、元の内容から大きく変更され、当初とは似ても似つかない姿で世に出されました。
裏側のことはわかりませんが、短い締切の中、なんとか形して世に出そうと苦労したのでしょう。手元にある膨大な設定は、しかし活かしきれず、フェードアウトしてしまうものも多く生まれてしまいました。
どこを活かし、どこを切るか。たくさんの難しい判断があったのだと思います。
それらすべてを補完しつつ、ひとまず締切を守る方法。それがきっと、DLCであとから追加するという方法だったのだと思います。
ですので、ある意味FF15は「未完」の状態で世に出たのでしょう。
それが悪いとは言いませんが、そうするためにはファンを維持する方法を真剣に考えるべきでした。
FF15の「たら」「れば」。違う形で世に出ていれば評価はもっと違ったのではないか。
ダウンロードコンテンツで「間」の物語を補完していく。
そのために必要なのは、プレイヤーに「間」を知りたいと思わせることです。
終盤の辛さが全て清算されるエンディングがあり、プレイヤーが「最高だった!」と心の底から思えるものだったなら、後から発売されるDLCを心待ちにできたかもしれません。
プレイヤーがファンとなり、世界に浸り続けたい、DLCを早くプレイしたい! と思わせることに成功していたら、後から世界を補完していくというモデルは成功していたかもしれません。
しかし、FF15はその道を自ら潰してしまいました。
結果として、予定されていたDLCが全て発売されることはありませんでした。
最初にファンを作ることに失敗したFF15は、結局語りたかった物語を完走させることはできず、世に一定の悪評を残し、消えてしまいました。
仮に、想定されていたDLCが全て完成してからひとつのパッケージとして販売されていたらどうなっていたでしょうか。
全ての伏線を回収し、その上で避けられぬ悲劇を受け入れるゲームだったのなら。
きっと、それはそれで名作になっていたに違いありません。
おわりに
私はFF15を楽しんでいた。だからこそ、あのエンディングで良いと決断した開発陣が許せない。
何度も言いますが、私はFF15を本当に楽しんでいました。
だからこそ、あのエンディングは認めがたかったですし、未完ともいえる状態で世に出たことも許せません。
あんなに好きだった世界なのですから、できることなら、DLCで全て補完してほしかった。
それすらできなくさせてしまったのは、私たちが買い支えなかったからでしょうか?
私はそうは思いません。
最初のエンディングで、多くのプレイヤーが横面を思い切り殴りつけられたことで立ち上がる気力を失ってしまったからです。
悲劇にしたいのなら、完成させなければならなかった。
長く続けたいのなら、プレイヤーのテンションは落としてはいけなかった。
どこまでも広がっていたように感じた世界。
4人の仲間とたどった旅路。
私は、FF15が大好きでした。
大好きな世界だったからこそ、FF15というコンテンツを殺してしまったあのエンディング、そして、これで良いと考えた開発陣のことを、私は決して許せません。
もしかしたら、PS4にインストールされているDLCを全部プレイすれば評価が変わるのかもしれません。
それでもきっと、私はこれからもプレイできないでしょう。
あの4人との楽しい旅は、私にとっては既に思い出の中で眠ってしまったものなのですから。
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