エオルゼアの現在から3000年ほど前に始まった第五星暦は、ゲーム中で体系だった説明はないものの、多くの魔法や物語の根拠が生まれた重要な時代です。
故に、ある程度の正確な理解がストーリーを楽しむための一助になると考え、第五星暦の時代にどんな都市が存在し、何があったのかをまとめました。
エオスト -Story of Eorzea- では、Final Fantasy XIV(FF14)のクエストストーリーをまとめています。あらすじ記事は以下のリンクよりどうぞ。
第五星暦に至る歴史
第三星暦を謳歌したアラグ帝国が、第四霊災――土の厄災にて滅んだ後、第四星暦時代では文明崩壊を引き起こした魔科学が禁忌とされ、あらゆる文化が否定されてしまいました。結果、第四星暦はほとんど記録が残っていません。故に原因は定かでないものの……第四星暦は約3000年前に大氷雪時代と呼ばれる第五霊災を引き起こしてしまいます。
厳しい寒波の世界で人々は信仰を復活させ……寒さの名残がまだ残る第五星暦初期になると、祝福の力として魔法が用いられるようになりました。
気候が安定するにつれ、エオルゼアでは各地に独立した都市国家が複数形成されました。
それぞれが独自の文化を発展させ、多くの全く異なる文化と魔法体系が生まれます。
違いは摩擦を生み、摩擦は戦乱を呼びました。
一説によれば最大で12もの都市国家が生まれるも、戦いの中で統廃合がすすみ……最終的に6都市まで減ってしまいます。
本稿では、中でも有力だった以下3都市について扱います。
- ヤフェーム 魔法都市「マハ」
- 黒衣森南部森林 古都「アムダプール」
- バイルブランド島 海洋都市「ニーム」
魔法都市「マハ」
地理と歴史
ヤフェームはモードゥナの西に位置しています。
第五星暦の頃のヤフェームは、アバラシア山脈からの雪解け水をたたえる白妙河によって、豊かな土地が広がっていました。そして同地には、大規模な都市「マハ」が形成されます。
しかし現在は塩まみれの広大な湿地帯となっており、居住に適しておりません。
当初は決して強国ではなかったマハですが、ひとりの天才「シャトト」が生まれるとすべてが一変。
彼女が生涯を通じて「黒魔法」という独自の魔法体系を成立させた結果、マハの軍事力は飛躍的に向上し、エオルゼア随一の軍事力を有する強国となっていきます。
黒魔法と妖異召喚術
天才的な頭脳を持っていた女魔道士「シャトト」が成立させた「黒魔法」は、究極の破壊の力を求めて作られたものであり、戦乱の世で大いに活躍しました。一方で、強大な黒魔法を用いるためには周囲のエーテルを使用する必要があるため、のちの魔大戦の中で環境エーテルを濫用……枯渇させてしまい、第六霊災の遠因となります。
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加えて、マハの魔道士達は異界「ヴォイド」の住人である「妖異」を召喚し、使役する手法をも確立します。
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ヴォイドはエーテルの枯渇した世界。その世界の住人である妖異達は、総じてエーテルに飢えており、その力は危険で強大です。
果たして、マハの魔道士達はどうやって危険な妖異達を操っていたのか……その「要」は、蒼天編24人レイドのクロニクルクエスト「シャドウ・オブ・マハ」にて語られることになります。
古都「アムダプール」
地理と歴史
現在の黒衣森南部森林地帯は、第五星暦当時まだ森に呑まれておらず、巨大な岩石の点在する平原でした。そこへ移住してきたヒューラン族が開墾し、豊富な岩石を用いて壮麗な石造りの都市を構築。こうしてアムダプールは誕生します。
隣接する黒衣森に潜む精霊とは距離をおき、平穏を望むアムダプールは、当時他の都市から長老的な存在として敬われ、「古都」と呼ばれていたのです。
白魔法と石造の守護者
初期のアムダプールでは、石造りの像に魔法をかけ、仮初の命を与えて操る術が発達します。専守防衛を掲げる彼等はこうしてアムダプールの守護体制を構築するのですが、マハが黒魔法を発達させたことで状況は一変します。
周囲に勢力を伸ばすマハに対抗し、アムダプールは浄化と癒やしの力である「白魔法」を成立。マハとの戦力的な均衡を保つのですが……これも黒魔法と同様に、強力な術を用いる場合には周囲の環境エーテルを枯渇させるため、第六霊災の遠因となるのです。
海洋都市「ニーム」
地理と歴史
かつて一人のララフェル族が、交易相手を求めてバイルブランド島に到着。
コボルド族との交易拠点として設けたその小さな集落はやがて発達し、ニームと呼ばれるようになりました。
とはいえ、前述のマハ、アムダプールに比べると小規模であったニームは、魔法の覚えのある者が少なく、第五星暦の主役に躍り出ることはありませんでした。それにもかかわらず戦乱の世において独立を保てたのは、海の荒くれ者を擁し、独自の軍事力を有していたからに他なりません。
学者とトンベリ病
「ニーム海兵団」と呼ばれるかの国の戦力は、多くの勇壮な斧術士と、少数の魔道士で構成されていました。治癒と支援に特化した軍学魔法を収めた魔道士達は「学者」と呼ばれ、斧術士達を指揮しながら侵略者に対して勇壮に戦う様は、多くの伝説を残してしています。
一方、そんなニームをとある悲劇が襲います。
ある日たどり着いた一隻の漂着船が、都市に伝染病をもたらしたのです。
その伝染病は、罹患すると、耳や鼻が削げ落ち、四肢は縮まり……まるで伝説の怪物「トンベリ」のような見た目になってしまうことから「トンベリ病」と呼ばれました。トンベリ病に対し、多くの学者達は治療に奮闘するも力は及ばず……結局ニームは、病気によって衰退の道を歩むことになってしまいました。
STORY | 3.ジョブ・ロール-222学者レベル30-50【次代の学者】
なお、この病気の原因はマハによる策略でした。
その詳細は、蒼天の学者クエストで語られます。
STORY | 3.ジョブ・ロール-222学者レベル50-60【次代の「海兵団」】
第五星暦の終わり
魔大戦
マハの黒魔法、そしてアムダプールの白魔法によって、危ういながらも保たれていた均衡はある日遂に瓦解。マハの擁する黒魔道士と妖異軍団、アムダプールの擁する白魔道士と石造りの守護者達が全面的に激突し、その他の都市国家も独自の魔法で相争う魔大戦が勃発します。
300年もの永きに渡って続いた魔大戦でしたが、第五星暦1510年にいよいよ最終局面を迎えます。マハの軍勢がアムダプール都市部への侵攻を開始し、上位妖異「ディアボロス」の力で一気に決着をつけようとしたのです。
アムダプールの白魔道士達はこれに対抗。
多大な犠牲をはらいながらもディアボロスの封印に成功し、戦いはアムダプールの勝利に終わるのですが……長く続いた戦乱によって各地の環境エーテルは枯渇。属性バランスが崩壊し……第六霊災は避けられぬものとなりました。
第六霊災
水の厄災が近く訪れることが判明すると、各国は民の命を守ることに尽力。この動きは「グランドカンパニー」発足(現在の組織とは別)に繋がりました。
ニームでは魔法の渦を発生させて津波を対消滅させる「メイルシュトローム作戦」を立案。
アムダプールはマハとの戦いで憔悴しており、せっかく守り抜いたアムダプールを捨てて、山岳地帯ギラバニアまで民を逃すことに。
一方マハでは……巨大な箱舟を建造し、空の浮島へと逃がす作戦が決行されます。
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ほどなく、第六霊災が発生。
マハは大津波に呑まれて塩まみれの湿地帯となってしまいました。
ニームのメイルシュトローム作戦は一部成功するのですが……周辺の都市はこの影響で壊滅。現在残る奇妙な岩礁地帯はこの名残です。
アムダプールの都市部も壊滅してしまいます。その後、白魔法を脅威に感じた黒衣森の精霊が森を押し広げ、一帯は木々に覆われてしまいました。
こうして、魔法が繁栄をもたらした第五星暦は終わりを告げたのでした。
おわりに
参考文献として、多くを Encyclopedia Eorzea Vol.01 から引用させていただきました。この本は最高です。厚み、印刷、装丁、内容、どれをとっても文句がありません。表紙のクリスタルは厚みをもって印刷されており、随所に施されると箔押し。分厚いハードカバーは購入時ビニールで巻かれ、そこにバーコードが貼ってあるため剥がすとバーコードが残りません。所有欲を満たしてくれる素晴らしい本。さあ、買いましょう。
ダイマは以上です。
上記の通り、第五星暦はかなりストーリーに関わっているのですが、メインクエストよりも、クロニクルクエストやジョブクエストの背景となっていることが多いため、メインクエストだけを追うのであれば決して理解が必要ではありません。
一方で、第五星暦のことをわかった上で関連のジョブクエストやクロニクルクエストをすすめれば、きっと理解は深まるでしょう。
また、蒼天編の24人レイド「シャドウ・オブ・マハ」は完全に第五星暦のお話ですので、プレイ前に流れを理解しておくとより楽しめると思います。
どなたかの楽しみの一助となることを願って。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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